遠観山里色(とおくさんりのしきをみる)

 

 ふるさとは遠く離れて、はじめてどんなところだったのかが分かるもの。日本という国も海外に出てみて、初めて客観的にとらえることができます。自分の仕事や日々接している家族も同じこと。距離を置いて見つめ直してみるとき、思わぬ発見がきっとあるはずです。

(出典:「ふっと癒される禅のことば(大本山建長寺 教学部長 永井宗直氏著 西東社)」)

 

 

 俯瞰する。私はこの言葉が好きだ。

 

 中にいると、近くにいると、見えないけど、遠くから全体を眺めると、いろんなものが見える。新しい発見がある。

 

 上司は俯瞰できる立場である。全体を見て、指揮監督する。

 俯瞰しているからこそ、部下たちが気づかないことに気づく。それに気づかなかったら、上司失格である。

 

 適確な助言・指導をすることが大切だが、言うだけではダメだ。言うだけなら、だれでも言うことはできる。 

 難しいことはない。やる人こそが、大変である。

 

 

 ふるさとを遠くから見つめる。

 ふるさとのよさに気づくだろう。

 

 私は学生時代、京都にいたが、周囲は、有名な神社仏閣ばかり。

 いつでも、毎日、毎朝、毎晩、神社仏閣を訪ねることができた。

 でも、訪ねることはしなかった。

 興味がなかったからだ。今から思えば、もったいないことをしたと思うが、学生のときは、遊びたい。遊びに優先するものはなかった。

 

 今、時々、京都のことを思い出す。京都に行きたいと思うが、なかなか行くことができない。

 敷居が高いわけではないが、遠い存在になっている。

 京都は第二のふるさとである。

 懐かしい。そして、その良さを思い出している。