私はプロ野球の某球団の監督に就任した。

 現役引退後、監督になるのは長年の夢だった。

 

 オーナーから3年契約を提示され、1年目から優勝を目指してほしいと指示された。

 

 リーグは6球団ある。

 1年目は5位と低迷した。

 オーナーは冷徹な目で、来シーズンこそ優勝するように厳命した。

 私は実績のあるコーチの招聘を要請し、許可してもらった。

 

 2年目のシーズンは4位に終わった。

 監督の采配を非難するプロ野球解説者も多く、スポーツ各紙も私の采配を非難した。

 コーチが私の指示を無視し、結果、コーチと選手間の信頼が失われ、チームは勢いを失ったとオーナーに報告した。

 コーチに低迷の原因を押し付け、引責辞任させ、私の続投が決まった。