両忘(りょうぼう)

 

 生きるか死ぬか、愛してるか愛していないか、好きか好きではないか。

 

 期待と不安とよく言うが、いいことと悪いことを比較しがちである。その心には、悪いことが起きるのではないかという気持ちがあるからではないか。

 

 くよくよしないこと。常に、前向きで、プラスに考えれば、きっといいことがあるはずだ。

 

 中庸(ちゅうよう)という言葉があるが、何事も、どちらに偏らないで、常に変わらないこと、という意味だが、両忘と対極の言葉かもしれない。

 

 生きるか死ぬか。迷ったら、答えは簡単だ。

 生きるのみ、生き抜くだけだ。

 せっかく、この世に生まれた限りは、生きることに感謝しないといけない。

 

 両忘。その名のとおり、両方を忘れる。

 これこそ、禅語と思わせる。すばらしい言葉である。