昨日の我に今日は勝つべし。

 

 これは、柳生石舟斎宗厳の言葉である。

 柳生新陰流は将軍家御流儀としての地位を確立したが、剣の道の奥義を感じる。

 

 柳生新陰流といえば、柳生十兵衛が最も知られているだろう。 千葉真一さんが演ずる柳生十兵衛は、まさに、剣の道というものを見せてくれた。柳生十兵衛は千葉真一さんのような人間だったと思わせる。それだけ、真に迫った演技を見せてくれた。

 

 人生は平たんな道ばかりではない。でこぼこ道や曲がりくねった道も多い。だから、人生は楽な道は少ない。

 昨日の自分よりも成長したい、昨日の自分よりも大きくありたい。勝つまでとは言わないが、昨日の自分よりも今日の自分でありたいと思う。

 

 剣の道の奥義は知らないが、相手を倒すことにあるのだろうが、ただ単に剣が上達するのみならず、人間として成長することが必要だと思う。

 

 昨日の我に今日は勝つべし。

 この言葉に、柳生十兵衛を思い出す。だから、あんなにすばらしい剣術の技があったのだろうと。