気づいたら時間がたっている。
危ないぜ。
今年入って一番最初の読了。
伊坂幸太郎「あるキング」
裏表紙にもかいてあるとおり、伊坂幸太郎氏にある意外性や予測不可能な展開は殆どなく、それは普通とは違う、実に不思議なお話。
シェイクスピアの「マクベス」
その中の台詞「fair is foul.」
「きれいはきたない」
いろいろな訳され方があるようですが、その深い意味に沿って進む、ある天才的野球青年のお話。
Amazonではかなり評価が低いようなのですが、僕は結構好きな作品となりました。読後感も悪くない。
度々登場する曖昧さの具現化。
立場によって変化する事象の捉え方。
その描き方が面白く、読んでて飽きることがありませんでした。
ストーリーも相当わかりやすいかと。
自分が善かれと思ってした行動が、誰かにとっては全然良くないことがある。
いつだってそうだったりする。
それでも、相反する人達と生を共にしている。
ブレない軸を持っている人の強さを感じました。
だからと言って必ず幸せになれるわけではない。
ただ、人生における「幸せ」ってものは本来客観的に見るものじゃないのかもしれませんね。
どうあったって、本人が幸せだと思っているのならそれが1番良い。
きっとその横では誰かが泣いているだろうけど。
最後の「打席」に立って景色と音がスローモーションで飛び込んでくるかのような部分がたまらなく好き。
伊坂幸太郎を読んだことない人にはオススメ出来ませんが、素直に好きだと言える作品です。
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