12時過ぎに行者小屋を出発する。設営したテントに幕営道具を放り込み、ビヴァーク用具1セットと、念のためにロープをザックに入れ、ワカンをザックに付けて、阿弥陀に向かう。


本来ならば文三郎で中岳のコルに向かうべきであったのだが、雪が安定しているので中岳沢を偵察する。ここにはトレースが複数あった。思った通り雪はしまっていて雪崩の危険はなさそうに思えた。念のため、少し登ったところで弱層を調べたが問題なし。アイゼンを付け、中岳沢をそのまま詰めることにした。


途中、樹林帯を北稜方向に上がるトレースが多かったが、そのまま中岳沢をつめるトレースも残っていて、ワカンの出番はなかった。そもそも、雪がしまっていたので、ノートレースでもワカンは必要なかったかもしれない。トレースはあるものの、人は全くいない。雪の状態は良いとはいえ、また、中岳沢自体、そんなに陰湿な沢でもないのだが、それでも冬に沢の中にいるのは精神的に良くないので、一気に抜ける。そのせいで少し汗をかいてしまう。


阿弥陀の基部まで抜け、雪から顔を出しているハシゴにセルフをとって休憩する。テルモスの暖かいお茶を飲み、胸ポケットに入れっぱなしのおにぎりを食べる。天候はまだまだ持ちそうである。



赤岳に向かう稜線。夏は見るからにうんざりするガレ場だが、冬は素敵な稜線になる。



どこにいても、つい富士山を探してしまう。やはり雪は減っている。



阿弥陀が風除けになってくれて、すこぶる快適に休憩を取りつつ、景色を堪能。最後の登りに取り掛かる。



平日の午後とあって、阿弥陀には他に誰もいないようであった。ここは上に人がいると、時間がかかることも多く、さらには雪が落ちてきたり、時には冗談ではなく人が降ってくることがあるので、誰もいないのは気が楽である。静かな山を十分に堪能しつつ、午後2時半、誰もいない山頂に到着。


途端に、吹き付ける風にさらされる。しかし、景色は良い。雲が近づいてくるのが見える。やがて赤岳から硫黄への稜線の上空を雲が覆う。





なんとなく3時まで山頂で過ごす。身体は冷え切っている。気温も下がってきたので下山開始。下りは多少神経を使うところもあったが、雪はしっかり締まっており、ザイルを出す必要はなかった。


続いて中岳沢を下降。途中から風が強く吹き下ろしてきて、目に入りそうになる。慌ててサングラスをゴーグルに変える。樹林帯から雪が吹きつけてくるなか、急いでテントに向かう。4時に行者に戻る。


テントの中を片付けて夕食。本日はカレーとアルファ米。さらにマルタイ棒ラーメンのトマト味!なんと近所のス○薬局で、棒ラーメンの様々なバリエーションを発見したのだ。なかでもトマトラーメンは嬉しかった。新宿のTOHOシネマの下にトマトラーメンの店があって、そこでもトマトラーメンの後のスープにライスを入れてリゾットを食べることができるのだが、それの真似をして、カレーの残りのライスをトマトラーメンの残りスープに入れてリゾットにする。満腹。というか、少し頑張って食べすぎた。


その後、暖かいお茶を何度も飲んで就寝。横になって風が遠くで鳴り、やがて近づいてテントを揺らすのを聞きながら眠りについた。