映画『記憶屋 あなたを忘れない』 | FLY HIGH

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登ることは生きること。後悔をしない毎日を。

クライミングの予定がとある事情でキャンセルになったのが昨晩の22時。

 

ちょっとでも山に行きたい気持ちもあってなんとか準備はしたけれど、

布団に入って12時間くらい寝ようときめこんだ。

 

少し疲れがたまっていた。

 

 

起きて久しぶりにギターを触る。

心が落ち着くし、歌を唄うと明るくなる。

あの時ギターを買っておいてよかったな。

下手でも音楽のある生活はよい。

 

そのためにYouTubeを開いたら、トレイラーが。

『弥生、三月-君を愛した30年₋』

https://youtu.be/ryRtQ0OlwsA

 

おお、見たい!と眺めていたら、その次に

 

『記憶屋 あなたを忘れない』

https://youtu.be/IoR8LLu40JM

 

が流れた。ああ、こちらは今やっているんだな、見に行こうと決めた。

 

 

ということで、軽く今年の初ランをして、裏越後のブログを書いた後に

月曜日1100円で見れるイオンシネマへ。

 

 

 

映画の内容は上映して9割くらいは最高によかった。

 

ストーリーの持っていき方も先がいまいち読めない不思議な感じだし

表現の仕方も、映像も美しいな~と思った。

 

ストーリーは主人公がプロポーズをした彼女が主人公のことだけを忘れてしまい、

その記憶を取り戻すために主人公の遼一が奔走する、というようなもの。

 

『愛する人に忘れられてしまった』遼一と

『愛する人に自分を忘れてほしい』高原の二人が

一緒に旅して記憶屋について探っていくというのもいい設定。

 

その高原が最後に遼一に手紙で伝えた言葉たちも美しかったな。

それを踏まえて遼一が幼馴染に、

その人のなかで記憶が消されても周りが覚えているから、消えることはない、

というようなことを伝えたのも感動した。

 

 

だが、、しかしーーー!ラストはいただけない。

どうしても無理だ。残念である。

 

 

さて、まぁそれにしてもボロボロと泣いた。

映画を見るのはマチネ以来かな。

 

 

 

愛する人が自分の記憶をもっていることで苦しむのだとしたら、

その記憶を消してくれてもいいな、と私は思う。

私は、自分が愛する人に忘れられてしまう自分の苦しさよりも、

その人が笑顔で生きていてくれる方がずっとずっと嬉しい。

 

記憶をなくすことで救われて、笑顔で生きていけるのなら

それもまた一つの生き方なんじゃないだろうか。

人は、どこにいるにせよ、多くの人が生きていかなければならないのだから。

 

 

なくそうとしなくても、むしろ、覚えていたいと思っていても記憶は自然と遠く、薄らいでいく。

本人も意図しないところで。それでも。

 

 

色んなことを考えては打ち消して。

もっとよい自分であろうとしては落ち込んでを繰り返している。

こんな私でいいのだろうかって思いがまったく消えない。

皆、嘘みたいに優しいのに。

 

それに、

自分が生きてこうして言葉を紡ぐことで

これまでそうであったように誰かが傷つくのではなかろうかと

そんなことまで考えが及ぶのにどうして、

こうして言葉を紡いでしまうのだろうか。

 

 

私は今日もそんなことを考えながら、少しだけ微笑んで

あの坂道をとことこと空を見上げながら、前を向いて歩いています。

紫陽花の花壇を横目に。

 

 

 

2020.1.20