新緑のズミ沢 初ソロ沢登り | FLY HIGH

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登ることは生きること。後悔をしない毎日を。

3連休の初日(5/31)に、沢コースを歩いたことで沢に行きたくなって、

どうやら最終日も天気がいいらしい・・と

私はひらめいた、そうだ、登山道が並走していて、

一人でも行けて、駅から歩けて、

途中まで行ったことがあって、

全行程で6時間程度のいい沢があるじゃないか!

 

 

 

ということで、始発電車に乗って、笹子駅へ。

そう、約4年前、私はズミ沢へ来ていた。

 

大滝で仲間の落とした大きな岩の下敷きになり、死にかけた。

あの時の岩が擦れて焦げ臭い匂いと、

岩に押されてぎゅっと苦しくなって、死ぬのかな苦しい

って思った記憶は、鮮明にとはいかないものの、覚えている。

奇跡的に無傷だった。周りの皆は私は死んだものだと思ったらしい。

 

 

懐かしいな、と思いながら、一人道証地蔵を目指す。

 

お地蔵さんに、今回は無事に登って降りられますようにと頭を下げて

ズミ沢の入渓ポイント(下部は歩いているのでカット)まで歩く。

なかなか、森が綺麗(^^)

 

入渓ポイントで靴を沢足袋へと履き替え、

ヘルメットを被り、沢の中へと足を一歩踏み出した。

私にとっての大きな一歩だった。

まだまだ沢の水は冷たい。

 

ドキドキしながら最初の4mほどの滝に取りつく。

なんてことないけれど、ぬめっていて、一人だし、

必要以上に緊張する。

そして、雨具も来ていないのにシャワークライミングになり、

一瞬で体が冷えた。

 

この感じ、忘れていたな・・

 

この後、速攻で雨具を羽織る。

この後は特に滝もなく、沢をポテポテと歩く。

あまりに長く感じて、途中で若干飽きた。

でも、時折キラキラした木漏れ日に、

あぁ、沢登りがまたできた、私は沢が好きだ、嬉しい

と緊張でじわじわと強張っていた体が和らいでいく。

 

そんな時、大滝が見えてきた。

 

近づくと、易しいといえ、立派だし、美しいなぁ!

 

登るかは見てから決めようと思っていたし、登るルート取りもしかり。

前に登った時の記憶も鮮明にあるし、登れそうに見える。

 

久しぶりにハイカロリーなドーナッツを食べ、いざ取りつく。

前回と同じルート取りで。

 

 

非常にぬめりが酷い。そして、ここが私の潰されかけた場所である。。

 

ぬめっているので水流横断や

緩傾斜の部分が異常に緊張する。

 

けれど、登ること自体は難しくなかった。

ただ、ここで滑ったら下までだな・・

ほぼ大丈夫だけれど、100%ではないな・・

という思考が付きまとう。

 

トラッドやフェースクライミングとも全然違う、この、ワンミスが死につながる感じ。

いい緊張感のなか、滝の落ち口に立った。

 

続いて6mほどの滝がでてくる。見栄えがする小滝。

これも非常に滑っていて、易しいけれど慎重に。

 

 

その後少し歩くと、フィナーレを飾るナメの入口のスラブ滝に出会う。

ここは本当に綺麗。

 

3mスラブ滝は右側クラック沿いを登れる?と思って取りついたけど、

明らかに自分には厳しいのですぐに巻いた。

 

巻いたら、ナメ地帯に!!

うひゃーー綺麗

新緑と相まって、とても気持ちがいい!

 

と、動画とりながら歩いちゃおっかなーとか思ったら、

ぬめっていて無理だった。

 

ひたひたと、スリップに気を付けて、

ナメを歩いた。幸せだった。

そして、ナメが終わってちょっとすると登山道にひょいと上がれる場所を発見。

沢足袋を脱いだ。

 

 

 

2月に硫黄岳から天望荘へと一人で歩いた時の緊張感と比べると、

滝が少ない分ややメンタルの削られ方は少なかった。

とにかく、沢をまた歩けたことが、嬉しかった。

 

帰り、登山道から自分の歩いた沢がよく見れる。

本当に登山道と近い(笑)

でもそれくらいが、ビビりな私のソロ沢デビューにはちょうどいいと思った。

あの忌々しい岩の下敷き事件で見れなかったナメも見れたし。

 

何より、新緑に差し込む太陽の光が、沢床に届いて、

もうそれは本当、美しかった。

 

降りてくると、人と山が共存している風景がまた穏やかな気持ちにさせてくる。

そして滝子山を振り返ると、綺麗な形、綺麗な緑。

たった1時間半程度の沢歩きだけど、

一人で歩くとこんなに充実感があるのか、と驚く。

 

行きに歩きながら、

ここを帰りに歩いているときはきっと同じ風景も、違う風に見えるんだろうなぁ、

なんて思っていたけれど、

ほんと、違う風に見えた。

 

肌にあたる風も、優しくて、

ああー、山が好きだなー、本当、好き。

クライミングも好きだけど、好きの種類が全然違う。

 

 

帰りは笹一酒造に立ち寄り、柚子にごりワインを購入。

 

来た電車に飛び乗ったら逆方向であちゃーってなったけれど、

早めの帰宅。

 

去年の夏は全然沢に行けなかった。

というか、行くのが怖かった。

今年は、少しは行けるといいな。頑張るぞ!

 

あの日、山の神様に助けてもらった命。

どんな形でも山と精一杯生きる。

自分にとって山がかけがえのない大切なものだから、

そのためなら一生努力できるんだな。

 

 

2017年6月2日

710笹子駅~807道証地蔵~832上の入渓点850…932大滝942

…1035登山道へあがるポイント1052~1124入渓点
~1142道証地蔵~1235笹一酒造1255~1300笹子駅