FLY HIGH

FLY HIGH

登ることは生きること。後悔をしない毎日を。

東北ひとり旅の振り返りすらできないまま、

谷川岳へ向かった。


どう見ても晴れるしかない天気図。

なのに雨の朝。

そうだ、谷川岳はそういう山だった。

人の心をかき乱してくる。


帰りたい気持ちでいっぱいだったけれど、

一ノ倉沢が初めてだという同行者の気持ちに押されるように出発した。


出合まで行って決めよう、

テールリッジ取り付きで、

中央稜テラスで、

南稜テラスで。


中央稜取付きの時に見えていなかった

南稜がテラスについたら見え始めていて、

結局濡れた岩に怖がりながら登ることになった。

1P目のチムニーは本当にびちゃびちゃだった。


国境稜線へ抜けることは叶わなかったけれど、

この雄大で特異な景色の中に私たちしかいなかった特別な時間。


響き渡る岩雪崩の音。

青空から舞ってくる雨。

眼下に広がる雪渓と新緑と白い岩盤。


登りたいと思っていた頃には登れず、

機会を逃してきた。

その間に流れた歳月は13年。


一ノ倉沢は昔と変わらず、

自分にとっては怖くて強いプレッシャーをずっと感じる場所で、

でも、ただただ美しくて震える。

やっぱり特別な場所だと思った。


また来ようね。












☆2024/5/22

インフォメーションセンター駐車場530〜南稜終了点1330/1405〜駐車場1930着

新卒で入った前の会社でお世話になった上司が、

先週、山で心筋梗塞で亡くなった。


今日がお通夜だった。

仕事を早退させてもらって、

なんとか最期に顔を見にいってきた。

片道3時間半。

でも行けるなら行かなきゃって思った。


もう何年も会ってなかったのに、

私を呼ぶ声がまだ耳にリアルに残っている。

どうやら、自分は音の記憶が強いらしい。


綺麗に化粧した顔を見た瞬間に死が現実になって、

もうその声も、その笑顔もこちらに向けられることはないんだなと理解した。


行きも帰りも、

車を走らせながら思いを巡らせていた。


一緒に働いていたのはたったの4年。

若かりし頃の私は今よりももっと人付き合いが下手で、人見知りで、人前で話すことも苦手で…

それでも、沢山見守ってくれていたし、

沢山の人と繋げてくれた。


沢山、可愛がってくれた。


当時は忙しくて忙しくてイラッとすることもそれはそれなりにあったけれど、

愛情をもって接してくれていたから、

嫌いになることなんてなかった。


誰よりも沢山の人を山に連れて行ったし、

人を楽しませる天才だったと思う。


60歳という短い人生を終えた大切な人に、

心から感謝を、愛を送ります。

ずっとずっと忘れません。


本当にありがとうございました。



お仕事ついでに、母の家に泊まって、
翌日の今日は、かつてのホームマウンテンだった丹沢へ。

変わらないでそこにあって、でも、私は松本へ帰る。

この景色が懐かしいのは、
沢山の人との思い出がこの山域にあるからだろうなって思う。

忘れていってしまうこともあるけれど、
忘れてもなお、
懐かしさの中にすべてがあるんだろうな。


















2024/4/25

いろんな不調を抱えている間に、

冬は終わってしまったけれど、

まだ日常を暮らしていけそうです。

ホッとしました。


健康とは、薄氷の上にあるもの。

今の生き方でいいですか?

明日も同じように生きてるとは限らないよ?


と、

心を抉るように問いかけられた気がした。

大事な物を見誤らないようにしなければ。

しっかり自分のために生きよう。


春の美しさに触れ、

心から長野県にこれてよかったと思っています。


大きな山に登れなくても、

山の近くにいられることがただ嬉しい。