20100115
魚類の鰓の進化に係る新知見(20100113 GMT BBCニュース)

 魚の鰓は呼吸の目的で進化したと考えられてきたが、そうでは無いことがわかった。カナダの研究チームが、淡水魚(ニジマス)の鰓成熟にともなうナトリウムイオンの取込みを調べる方法で明らかにした。ナトリウムイオンは細胞が機能を果たすために必須であるが、一方で血中ナトリウム濃度が上昇するとその個体に悪影響を及ぼす。
 ニジマスの血中ナトリウムイオン濃度は淡水中より高いので、ニジマスにとって淡水はナトリウムイオンを失う環境となっている。この環境を克服するため、ニジマスは皮膚からナトリウムイオンを吸収する。
 ニジマスは、鰓が未熟な頃には皮膚からナトリウムイオンを吸収し、成熟するに伴い鰓がその機能を代替した。この機能シフトは、酸素吸収についても同様に認められた。しかし、ナトリウムイオン吸収シフトが酸素吸収シフトより早期に行われた。
 すなわち、魚類の鰓は、血中イオン濃度を一定に保つために進化した器官である。

附記
 かつて皮膚のみでイオン交換する生物(脊椎動物)が存在したのだろうか。