Especiaとの出会い、1/17ワンマンライブ!そして今後… | アイドルKSDDへの道(仮)

アイドルKSDDへの道(仮)

心に茨を持つ山梨県民こと「やまなしくん」のブログ。基本UKロックが好きですが、最近はもっぱらオルタナティブなアイドルさん方を愛好しています。

【Especiaとの出会いとライブ参戦】

僕が「堀江系ガールズグループ」ことEspeciaを知ったのは、いつのことだったろう。確かBiSと同じつばさレコーズということで、BiSメンバーが度々ツイッターで言及していたのが、知るきっかけだったように思う。

いや、それ以上に決定的なきっかけがあった。メンバーの三ノ宮ちか が、ある日突然ツイッターで僕をフォローしてきたのだ。
「これがアイドルの知名度拡大作戦かぁ…」と思ったものの、しばらく経ってからフォロー返しした。そしてYouTubeで観たのが、「パーラメント」とかのPV。



「うわあ超80年代だし、ここまで徹底してると笑えるわー!いやでもこの曲…ちょっと、てゆうか相当…カッコ良くね?」

そして取り寄せたアルバム「AMARGA」を聴いて、「やべえマジでクオリティ高えよ…これがアイドル楽曲なのかよ…マジ最高じゃん!」「東京女子流の曲もファンクでカッコ良かったけど、こっちの方が本格的なサウンドで正直好きだなあ…」となり、これはライブをぜひ観てみたい!と思うに至ったのでした。

初めて観たのは、2014年のTIFことTokyo Idol Festival。初めて観に行ったTIFでの目当ては、でんぱ組.inc、NegiccoそしてEspeciaだった。
午前のわりと早めの時間に、野外のステージで観たEspecia。「No.1 Sweeper」を2回か3回繰り返してパフォーマンスしていた。

この曲は好きだった。僕は曲にあわせて踊っていた。「この曲を聴いて身体が動かないなんてどうかしてるぜ!」と、心の中で叫びながら。

そして何より…「ダンスがカッコイイ!!!」そう思った。ダンスはストリート系。これは最近のグループアイドルの中では珍しいと思った。
まあE-GIRLSとかあっち系はそうなんだけど、あの手の和製ブラックコンテンポラリー曲ってあんまり好きじゃないし…

そんな中…マニアックな楽曲と、ショービズの主流につながるダンスを両立させたアイドルグループがEspeciaだった。それは自分には魅力的だった。彼女たちは、さらに気になる存在になった。


2回目に観たライブは、それから間もない8月26日にNegiccoとのツーマンライブ「9 girls!」という企画だった。実はTIFに行く前にこのチケットを取っていた。「”楽曲派”を代表する2者のライブ!きっと素晴らしいにちがいない!」と思いながら。

TIFでは15分くらいしか観られなかったライブを、ここでは1時間くらい観ることができた。ホーンアレンジが超絶カッコイイナンバー「YA・ME・TE!」を聴くことができたし、楽しく踊ることができた。僕の隣にいる方が、けっこう激しく踊っていた。アイドル現場にはあまり居なさそうなハウス・クラブ系?のファッションの人がちらほらと居た。

パフォーマンスはもちろんカッコ良くて大満足。ちかぶぅこと三ノ宮ちかがソロでダンスをするパートでは、前方から観客がしゃがみ始めた。後ろの人たちに見えるように!
「ドルオタの人たちの配慮ってなんて素晴らしいんだ…」と衝撃を受けたのを覚えている。

その後、ツアーが催され、フルバンドセットによるワンマンライブの開催がアナウンスされた。バンドセットのライブをすごく行きたかったけど、用事で行けず…

3回目に観たライブは、前回から約1年後、青森でのフェス「夏の魔物」だった。ここの現場は特殊だった。野外ステージなのだが、ステージはかなり狭い。メンバー達はそこで歌い踊ったのち、ステージから前方に広がる芝生…つまり観客に向かって飛び出し、走り出した! そして、その場にいた観客一人ひとりとハイタッチ! 僕は、はるかちょこと冨永悠香ちゃんと手を合わせた!はるかちょは最高の笑顔だった。…その後僕は、ツイッターではるかちょに(普段めったに送らない)リプライを送った。「久しぶりに観ましたが、カッコ良かったです!」


【フルバンドセットでのワンマンライブ、そして衝撃の発表…】

その後全国ツアーが催された。僕は山梨在住なので、東京以外だと近い場所が静岡だったのだが、日程の都合上行けず。しかし、ツアーファイナルの東京公演では、フルバンドセットでライブをするというではないか。前回行きたくて行けなかったやつだ。「これは…行くしかない…だろ!」そう思い立ち、チケットを入手。あのカッコイイ曲たちがライブ演奏で聴けるなんて、楽しみで仕方なかった。そのときハマっていた曲は「アビス」。(Acid Jazzを代表するアーティストである)ジャミロクワイとインコグニートが好きな僕は、彼らをモロに感じさせるあの曲が大好きだった。特に後半の盛り上がりが最高で…



そして足を運んだ、1月17日、新木場スタジオコースト。僕は直前までタワーレコードでの買い物に夢中になってしまい…会場に着いたのは、こともあろうに開演時間ギリギリだった。

フロアに入ると、オープニングアクト中で、ステージでアイドルが歌い踊っていた。おおっ何つーバキバキのEDMサウンドなんだこれは!!? 後で知ったがStereo Tokyoという同じ事務所のグループだった。(これは後でちゃんと聴きたい。)

今回のライブは指定席だった。スタジオコーストで指定席って一体?と行くまで分からなかったが、フロアにパイプ椅子が並べられ、そこに席番号が割り振られているという具合だった。僕の席は、フロアほぼ中央という思いがけない良い席だった。メンバーの姿も表情もしっかり見られる!贅沢なシチュエーションだ。

ツアーのコンセプトに合わせてなぜか「宇宙戦艦ヤマト」が演奏された後、メンバーが入場。湧き上がる歓声の中で始まったのが、僕の好きな「No.1 Sweeper」!そして次に、何てこった「YA・ME・TE!」かよ!フロアをグルーヴの渦に巻き込むキラーチューン2連発で、テンションが上がる自分と周りのペシストさん達。

曲間では「おーれーのー、もなりー!」等のコールが時折挟まれるものの、MIX(ファイヤー、タイガー…っていうアレ)は聴こえなかった。観客の多くは、ステージを見つめながら気持ちよさそうに身体をユラユラ揺らしていた。他のアイドル現場では、なかなか見られない雰囲気なのかな、と思った。それにしても、ライブ演奏されるファンク・グルーヴに乗せて踊る快感といったら!僕も身体をひたすら揺らしていた。僕の隣にいたペシストさんも、かなりガツガツ踊っていた。

この日のハイライトは、多くのファンが指摘するように…ステージから張り出した花道にメンバーが出てきて、5人が見つめあってアカペラで歌った「トワイライト・パームビーチ」から「アビス」の流れだった。ああ、「アビス」を生演奏で観るのが僕の夢だった!むちゃくちゃ踊った。踊らずにはいられなかった。最高だった…

そして、この日のパフォーマンスは本当に素晴らしかった。ヴォーカルは拙いところが全くないし、緩急つけたダンスはキレキレだったり可愛らしくあったりして、何度も見入ってしまった。もちろん彼女たちより上手い人は沢山いるんだろうけど…少なくとも、どこへ行っても恥ずかしくない、完成されたパフォーマンスだと思った。

アンコールでは、新曲「Clover」が披露された。これまでに全くない80年代ロック調の曲に超ストレートな歌詞。「うーん正直微妙だわー」と思ったけど…「ストレートな歌詞は、それ歌える資格をもった人が歌えば素晴らしいものになる」から、ここで結論を出すのは早計だよなー…とか、そんなことをぐるぐると考えながら聴いていた。途中メンバーは、新曲なのに、サビのパートをマイクを観客に向けて歌わせるという荒技を披露!ええー俺歌えないよ!適当に歌ったけど、なんか音程ずれてるっぽいよ!どの音程が正しいのか分かんねえよ!…という結果に(笑)

その後、1曲はさんで、マネージャー清水氏が登場し、かねてからアナウンスされていた「大きな決断と発表」を話しはじめた。

ネットを見ていて良く分かったが、アーティストが「大切なお知らせ」とか「重大発表」と云うとき、たいていの場合それは、メンバー脱退とか解散、と相場は決まっているのである。だから、嫌な予感はしていた。そして、その予感は的中してしまったのだった。



僕のようなライトオタクでさえ、この発表は衝撃的だった。5人のうち3人が「卒業」という名の脱退…これは決定的な変化、てゆうか解散に近い。脱退劇はこれが初めてではなく、Especiaは2014年10月に杉本暁音ちゃんが脱退して6人から5人になっている、が…それに比べてショック度はダンチである。

そして、エスペシアは、何とまあ、そんな衝撃的発表の後にもう1曲披露するのだった!「うわあ…これって…どうリアクションしていいのか全然わからねえよ…!だけどさあ…これもうやけっぱちでも…盛り上がってあげるべきじゃあないのかなあ!?」と、僕は半分ヤケになって手拍子した。しかし周りの観客のテンションは明らかにガタ落ち。む、無理もない。熱心なペシストの方々の胸中、察するに余りある…。

「エスペシア!エスペシア!」というアンコールの掛け声は、最初のアンコール前に比べれば明らかに声量が落ちていた。僕は、ここで座らずに手拍子してアンコールすることが自分の務めだと思ってがんばったけど…まあ、仕方ないよなあれは…。そんな中、大声でアンコールを叫んでいた一部のファンの方の心意気は、僕にも伝わってきた。

メンバーが再登場し、一人ひとりが今回の発表について語り始めた。僕は固唾をのんでその様子を見た。 森絵莉加ちゃんは泣きながら話し、三ノ宮ちかちゃんも途中で涙ぐんだ。僕は、もらい泣きするのを抑えられなかった。苦しいことも最高に楽しい瞬間も共有してきた仲間と別れるのは、どんなに辛いことだろう。僕にも似たような経験があるので、感情移入せずにはいられなかった。

リーダーのはるかちょは、他メンバーが話しているとき、微動だにせずポーカーフェイスで正面を見つめていた。それはちょっと怖いくらいだった。リーダーの務めとして、感情を表に出さないと決めたのだろうか。

最後の曲で、メンバー達がフロアに降りてきて、その場にいた観客一人ひとりとハイタッチしていた。悲しみと愛情の間で混乱するファンの人たちの顔は、メンバー達の目にどう映っただろう。

会場から出ると、その後に催されるアフターパーティーを待つペシストさん達が群れをなしていた。「東京かあ…」「いよいよこれからっていう時に…」そんな声が聞こえてきた。


【Especiaの今後に向けて…】

僕はこれまでいろんなライブ観てきたけど、ライブ中、しかも曲間にメンバー脱退が告げられるという経験は初めてだった。まあ、フツーは無いよね?そして、自分がリアルタイムで好きなグループのメンバーが脱退する、というのも初めてだった。(BiSは最終形態になってから好きになったので…)

ライブ中にあのような発表をしたことについて、運営を非難する声もツイッターで散見された。気持ちは分かる。けど…僕としては、運営を責めることはできない。近い将来に話さなければならない「卒業」を胸の中に隠してファンの人たちと笑顔で触れ合う…なんて、メンバーにとってはけっこう辛いんじゃないかって思うから。

ともあれ、アイドルグループにとってメンバーの脱退は珍しいことではない。自分の好きなグループが、推しメンがいなくなる。アイドルオタクは、その避けられない現実に常に直面しているのである。

いつだったか、でんぱ組.incの夢眠ねむが、ツイッターでこう言っていた。「アイドルは、会いにいけるうちに会いに行ってほしい。」…その言葉が真理であることを、僕は今回、身をもって理解したのだった。ライブ最高だったし、こうなるんだったら、この前の全国ツアーで無理をしてでも他の会場のライブに行くべきだった!しかしそれも後の祭り、である。

いやあ大変だなあアイドルって。またひとつ、勉強になりました…。

Especiaは続くけど、このような事態では、もはや良くも悪くも、同じ名前を冠した全く別のグループになると言って差し支えないだろう。今回観たライブで感じたのは、三ノ宮ちかと三瀬ちひろの華麗なストリートダンスと脇田もなりの個性的な歌声がEspeciaをEspeciaたらしめている不可欠な要素だということだった。そう思わせるほどに、あの5人でのパフォーマンスは完成されていた。

推測するに、グループは新メンバーを新たに迎え入れて、東京で活動を始めるのだろう。その時点で「堀江系ガールズグループ」としてのEspeciaは解散し、全く別のEspeciaが始動する。

そこで、僕はEspeciaを追うことを止めるだろうか。答えは否だ。僕は何といっても、このグループの楽曲が好きだから。そして80年代を徹底してオマージュ!というコンセプトがすごくユニークで面白いと思うから。パフォーマンスがカッコ良いから。

そして、冨永悠香ちゃんと森絵莉加ちゃんがEspeciaに残る覚悟を決めるのを、この目で見たから。

2月にリリースされるニューアルバムは、アイドル界隈のみならず、日本のポップ音楽シーンにとっても重要な作品になるのではないか。期待が高まる。
そして、そこに収録されるであろう超絶カッコイイ曲の数々を、どのような形で僕たちの前に見せてくれるのか。

楽しみに、待ちたいと思う。


(おしまい)