ついに例年通りの積雪だ。

 

除雪シーズンが本格化し、深い雪の中に埋もれる季節がやってくるだろう。

 

 

除雪する立場としては喜ばしいものではないが、この雪深い地域が好きだ。

特に、しんしんと雪の降り続くなか、何も考えずに寝転がり、雪を眺めるのが好きだ。

道路の真ん中でも、田んぼの真ん中でもいいが、できれば夜がいい。

街灯のない、月明かりだけの夜がいい。

 

そうしてぼんやりとしながら、雪が体を覆っていく感覚は、私の心の奥に染み込んでいる。

この雪の季節とともに生きている思いが、創作に確実に影響している。

今年もゆめみて、暮らし、春を迎えよう。

伊藤海彦の詩のように。

 

*スキーウェアなど、全身防寒はもちろん前提としている。

 

 

『ゆめみる』

 

ひえびえと雨がすぎれば
枯葉つもる 道は昏く
ただ 冬鳥の きしむはばたき
ふかまる夜に
月は冷え
枝先に
からからと鳴る 乾いたかずら

みえないことで みえてくる世界
夢みるために
みえないでいる世界

ひとはこもり ひとり夢みる
栗鼠のように
蛙のように
時を孕んだ 石のように
歌をとざした 氷のように
ひとは夢みる 手をかざし
炎のなかに 土の器を
やがてくる 雪の白さが
悲哀を讃歌に変えるまで

 

伊藤海彦 『季節へのまなざし』より