手汗治療をする、という市内のペインクリニックへ。
その日、娘は合唱コンクールで部活がない。
私も合唱コンクールを見るために仕事を休んだ。
娘は合唱コンクールで『大地讃頌』のピアノ伴奏。
弾き終わった後、やはりハンカチで鍵盤を拭いた。
娘を車に乗せて、ペインクリニックまで。
車中、いろいろ話したが、娘のその時の心配は・・・。
『手術しなさいって言われたらどうしよう?』だった。
確かに・・・汗治療を行う病院の先生に
『手術』と言われたら、もう選択肢はそれ以外ないだろう。
その不安もよく分かる。
病院について受付を済ませ、診察を待つ。
名前を呼ばれ、診察室の中へ。
中年の男性の先生で、その病院の院長先生。
先生は娘に『手を見せて』と言い、娘は手を先生の机の上に乗せた。
私と娘の、今までの経過を説明するのを、先生は娘の右手を
触りながら、うんうんと頷きながら聞いていた。
『お母さん、これ、見てください』と先生は触っていた手を見るように言う。
『ボクは今、右手を触っていましたけど、触ってない反対側の手にも
汗をかいているでしょう?』
・・・確かに。刺激されたほうの手に汗が出るのは納得だが、
何もしてない反対側の手も、汗でキラキラ光っている。
『これが手掌多汗症の典型的症状です』
・・・やっぱり娘は、手掌多汗症なんだ・・・と実感。
そして先生から『これを読んでお待ちください』と
A4版両面刷りの4枚のプリントを渡された。
待合室で娘と交代でそれを読む。
手掌多汗症についての詳しい説明と、様々な治療法、
そのリスクなどが細かく書かれていた。
ETS手術、薬の服用、神経ブロック、イオントフォレーシス(電気治療)、
ボトックス注射、などなど。
やはりETS手術は代償性発汗が確実に起きる、とのこと。
再度、診察室に呼ばれ、先生は娘に聞いた。
『手術をしたいと思いますか?』
この時、親の私も同伴したが、先生が娘にだけ視線を向けて
娘にその質問をしたのを見た時、親として実感したことがある。
やはり病気の治療は、本人が一生抱える問題で、
本人が決めなければならないのだ、と。
それが中学生であっても。
『手術は・・・代償性発汗が怖いので・・・』
と恐る恐るな口調で答えたところ、先生が言った。
『ボクも今のあなたには手術は勧めません。
手術は将来、就職とかが決まった時、汗をかいて困るような
仕事に就くとか、そういう時に考えればいいと思いますよ』
それを聞いた娘は、かなりホッとした表情だった。
つまり、本人が大人になって、その時の状況を含め
正しい判断がつくようになった時、自分で決めなさい、ということ。
これには私も正直ホッとした。
そして先生から提案された治療は
精神安定剤の内服&塩化アルミニウムローションの塗布の併用。
正直、精神安定剤は過去に私が飲んだ経験があり
(自律神経失調症と診断されたことがあったため)
その時に眠気、吐き気がひどく、悪い印象しかない薬だったので
『副作用が心配です』と話したところ
『高校生も普通に飲んでいて、特に生活上支障が出るという
話も聞いてはいませんので、とりあえず飲んでみて
合わなければ別の薬に変えましょう』
でもやはり、精神安定剤というものを飲むことに抵抗があり
『イオントフォレーシスとか、他の治療はどうなんでしょうか?』
と聞いたところ
『娘さんの今の生活状況にその治療は合いません』
とのこと。
イオントフォレーシスは効果が出るまで15時間程度かかるそうで、
1回30分治療をしたとしても、効果が出るまで
1ヶ月毎日通う必要があるため、部活で忙しい娘には
とても無理な治療で、それより内服治療の方が
『即効性があります』とのこと。
充分納得できる説明に、先生の言う通り、
内服治療をすることにした。
薬をもらい、早速その日の夜から薬を飲み始めた娘。
翌朝『若干減ったかもしれない』とのこと。
また気休め程度?とも思ったが、娘は治療ができる病院を
ゲットした安心感もあり、とても落ち着いていた。
とりあえず、娘の『安心』はゲットした。
但し、実際の生活でどうなるかは別して。
今回の治療の一番の目的は『高校受験』である。
その時に汗が止まらなければ・・・。
その日、娘は合唱コンクールで部活がない。
私も合唱コンクールを見るために仕事を休んだ。
娘は合唱コンクールで『大地讃頌』のピアノ伴奏。
弾き終わった後、やはりハンカチで鍵盤を拭いた。
娘を車に乗せて、ペインクリニックまで。
車中、いろいろ話したが、娘のその時の心配は・・・。
『手術しなさいって言われたらどうしよう?』だった。
確かに・・・汗治療を行う病院の先生に
『手術』と言われたら、もう選択肢はそれ以外ないだろう。
その不安もよく分かる。
病院について受付を済ませ、診察を待つ。
名前を呼ばれ、診察室の中へ。
中年の男性の先生で、その病院の院長先生。
先生は娘に『手を見せて』と言い、娘は手を先生の机の上に乗せた。
私と娘の、今までの経過を説明するのを、先生は娘の右手を
触りながら、うんうんと頷きながら聞いていた。
『お母さん、これ、見てください』と先生は触っていた手を見るように言う。
『ボクは今、右手を触っていましたけど、触ってない反対側の手にも
汗をかいているでしょう?』
・・・確かに。刺激されたほうの手に汗が出るのは納得だが、
何もしてない反対側の手も、汗でキラキラ光っている。
『これが手掌多汗症の典型的症状です』
・・・やっぱり娘は、手掌多汗症なんだ・・・と実感。
そして先生から『これを読んでお待ちください』と
A4版両面刷りの4枚のプリントを渡された。
待合室で娘と交代でそれを読む。
手掌多汗症についての詳しい説明と、様々な治療法、
そのリスクなどが細かく書かれていた。
ETS手術、薬の服用、神経ブロック、イオントフォレーシス(電気治療)、
ボトックス注射、などなど。
やはりETS手術は代償性発汗が確実に起きる、とのこと。
再度、診察室に呼ばれ、先生は娘に聞いた。
『手術をしたいと思いますか?』
この時、親の私も同伴したが、先生が娘にだけ視線を向けて
娘にその質問をしたのを見た時、親として実感したことがある。
やはり病気の治療は、本人が一生抱える問題で、
本人が決めなければならないのだ、と。
それが中学生であっても。
『手術は・・・代償性発汗が怖いので・・・』
と恐る恐るな口調で答えたところ、先生が言った。
『ボクも今のあなたには手術は勧めません。
手術は将来、就職とかが決まった時、汗をかいて困るような
仕事に就くとか、そういう時に考えればいいと思いますよ』
それを聞いた娘は、かなりホッとした表情だった。
つまり、本人が大人になって、その時の状況を含め
正しい判断がつくようになった時、自分で決めなさい、ということ。
これには私も正直ホッとした。
そして先生から提案された治療は
精神安定剤の内服&塩化アルミニウムローションの塗布の併用。
正直、精神安定剤は過去に私が飲んだ経験があり
(自律神経失調症と診断されたことがあったため)
その時に眠気、吐き気がひどく、悪い印象しかない薬だったので
『副作用が心配です』と話したところ
『高校生も普通に飲んでいて、特に生活上支障が出るという
話も聞いてはいませんので、とりあえず飲んでみて
合わなければ別の薬に変えましょう』
でもやはり、精神安定剤というものを飲むことに抵抗があり
『イオントフォレーシスとか、他の治療はどうなんでしょうか?』
と聞いたところ
『娘さんの今の生活状況にその治療は合いません』
とのこと。
イオントフォレーシスは効果が出るまで15時間程度かかるそうで、
1回30分治療をしたとしても、効果が出るまで
1ヶ月毎日通う必要があるため、部活で忙しい娘には
とても無理な治療で、それより内服治療の方が
『即効性があります』とのこと。
充分納得できる説明に、先生の言う通り、
内服治療をすることにした。
薬をもらい、早速その日の夜から薬を飲み始めた娘。
翌朝『若干減ったかもしれない』とのこと。
また気休め程度?とも思ったが、娘は治療ができる病院を
ゲットした安心感もあり、とても落ち着いていた。
とりあえず、娘の『安心』はゲットした。
但し、実際の生活でどうなるかは別して。
今回の治療の一番の目的は『高校受験』である。
その時に汗が止まらなければ・・・。