開始すぐ、
「なにかわからないことがあったら言ってね。」と神宮さんに声をかけていただいて
思わず
「...わたしの何がダメでしょうか?」と聞いてしまった。
すると、
「ダメじゃないよ、ダメじゃない。強いていえば...楽しそうじゃないね。」
その言葉にわたし、大号泣。
(泣きすぎて何話したかよく覚えてない。)
もうここ数年、人前でのトリミングが楽しくなかった。
学ぶ中で、ある方に「お前はダメだ」「変わらなければならない」とずっと言われ続けて
カットするたびに「わたしはダメだから変わらなければならない」「わたしはできてないから努力しないといけない」とそれしか思えなくなった。
自分でその人に学ぶ、と決めたことだったので良い経験になりました、と前に進むしかないけれど
そうしてどんどん、誰かの言いなりのベドカット
わたしの気持ちはこもってないトリミングになってて
さらに入賞しなければしないほど「やっぱりわたしってダメなんだ」と思う負け癖がついた。
基礎からできてない、と言われ続けた日々は
わたしから楽しいを奪っていって
アドバイスを素直に受け止めて切ってたトリミングは 言いなりだった。
なので今日 ここはもっと切ってもいいんじゃないかな?と言われた時に
たしかに..。あれ?なんで伸ばしてたんだっけ。
伸ばしなさいって言われたから伸ばしたんだった、と気づいて
いつからわたしは 人のベドを表現しようとしてきたのかと思った。
いつからちょっとはわたしの犬じゃなくなってたんだろう、と。
わたしの犬、わたしの師匠。
失敗も成功も迷いも一緒にどんどんしていい大切なパートナー。
「ありさちゃんはもっと自由でいいんじゃないかな。もっと遊んで、ゆるめて、基礎にがんじがらめにされなくて大丈夫。」
やっと心が解放された気分だった。
ベドをやり始めた頃は審査員の方からよく言われてた。
「あなたのトリミングは伸び伸びしていていいね!」
月日が経つうちにそんなことは言われなくなって、すっかり忘れてた。
ちょっちゃん、まだまだ付き合ってくれるかな?
わたしはやっと、また自分らしくベドリントンテリアと向き合えそうだよ。
トップラインは少し伸ばしたいな。
あとは歩いて調整。
トリミングには、犬には、
自分の全部が出ちゃうから
見る人が見ると、お見通しなんだよなぁ。
犬とトリミングで対峙する感覚は
自分と向き合うような感じだから
心が痛い時もあるし、今日みたいに心が救われる時もある。
わたしに"楽しい"を取り戻してくださっている櫻井オーナー、それから神宮さん、浅野さん、ありがとうございます。