短期集中連載「流線形'14セルフライナーノーツ 完全版⑥ ~ユニバース 編~」 | CittY的 水中生活日記

短期集中連載「流線形'14セルフライナーノーツ 完全版⑥ ~ユニバース 編~」

こんにちは、こいしです。

2015年、始まっちゃいましたね。みなさん、明けましておめでとうございます。




昨年発売した「流線形'14」は関係者各位のおかげもあって、CittYがあの時点でやれる音楽を最大限に表現できたと思っています。

もちろんメンバーもみんな、音源を生み出すにあたって、楽しくも色んな意味で「産みの苦しみ」みたいなものと戦いながら、あーでもないこーでもないとやってきたので、最終的に形になったときの喜び、達成感はとても大きなものとなりました。

また、全国流通となったことによって、ほんとに全国の人々にちょっとずつ僕らの音楽が届いているのを実感できました。これはすごく大きな体験でした。
「個人的には、今年買ったCDの中でベスト10の中に入っています」みたいな意見を頂くと、大げさかも知れないですが、僕のあこがれのミュージシャンたちとある意味同じ土俵で活動しているんだなあ、と身の引き締まる思いです。聴いてくれた皆さん、本当にありがとうございます。



以前にもお伝えしましたが、CittYは現在、新しい音源の発売に向けてまた、「産みの苦しみ」と戦っています(笑)
でも、その先には僕ら自身の喜び、CDを手にしてくれた誰かの喜びが待っていると信じています。
そんな事を考えながら、2015年のスタートを切りました。


さて、短期集中連載「流線形'14セルフライナーノーツ 完全版」も、最後の一曲になりました。
アルバム発売から約半年、もはや短期集中連載とは呼べませんが(苦笑)、最終回、M-6「ユニバース」をお送りします。



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■ユニバース
作詞/作曲:岸田小石



暇さえあれば戦争を始める 大人にはうんざりだよ
僕のチョコレイトをあげるからさ ほら 仲直りをしなよ

頭の上の 金魚鉢の銀河に 星が流れた
願いをかけるよ はるか遠くの未来だけを見つめてた

チャイムが鳴り響く 放課後追い越して
二段飛ばしで 駆けあがったら
手が届く空 せり上がってくユニバース

消えそうな三日月を ポケットに隠したら
風の無い空 音の無い雨 短い旅に出かけよう


笑い声さえも 鼻につくんだ 何がそんな楽しいのやら
ゆるめのメンテナンス 小さな問題には 目をつぶって過ごした  

カップの中のコーヒーの海に 身を投げる勇気など無い
願いはどこかの 神様にきっと 届くような気がしていた
 
暗闇の世界を 青で塗りつぶした
時間切れでも 走り抜けて
振り返れば ほら 瞬くのさユニバース

二十世紀が遺した 罪と罰のダイアリー  
震える惑星 枯れた花も ありったけの愛で包むよ


ユニバース 昨日の雨は 誰かしらの涙で
今日も雲行きが怪しくなってきたけど

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僕は気持ちが弱ってくると、宇宙的な思考に走り始める傾向がありまして、「流線形'14」に宇宙的な歌詞が多いところから察するに、今回のアルバムを作ってた時期って、僕、けっこう弱ってたんですよね、きっと(笑)

すごいベタで恥ずかしいですが、落ち込んでいるときに田舎の綺麗な星空とかを見ると、「僕の悩みなんて、この広い宇宙と比べるとちっぽけなもんだよなあ」と思ったりするのと同じような感覚かも知れません(赤面)


もちろん、色んなメンタルを全て創作に転化していくのがミュージシャンの使命だと思っていますし、常にフラットな気持ちだと少なくとも僕は音楽を作れないと思っています。
この曲の歌詞もある意味愚痴っぽーい内容になっていますが、今になって見てみると色々と思い出す節があって、過去の日記を読んでいるような感じで面白いですね(笑)



歌詞の内容としては、
具体的なストーリーと言うよりかは、頭に浮かんだイメージを繋ぎ合わせたような感じで、


「イケてない現在の世界」と「子供の頃に描いた未来」

「何気ない日々の営み」と「宇宙から見た、地球が歩んできた(またはこれから歩んでいく)ストーリー」

みたいなものを行き来しながら、対比しながら、縦横無尽に進んでいくお話です。

うーん、、、すごく説明するのが難しいので、主には聴いてくれた皆さんのイメージに委ねつつ、この曲が出来るにあたっての、ひとつのバックボーン的な部分を書きたいと思います。



子供の頃は、大人ってみんなすごーくしっかりしているような気がしていました。

でも実際自分が大人になっていくに連れ、周りを見てみると、けっこうそこいら中にポンコツな大人が溢れていて、いつしか「なんか様子がおかしいぞーこれは」などと思うようになりました。
というよりか、一見ちゃんとした大人であっても、みんなけっこうギリギリでなんとか踏ん張っている。そんなことがわかり始めたマイレボリューションです。



例えば電車の中で大声でケンカをしている酔っ払いだったり、大きな犯罪を犯すようなイケてない大人というのは、ごくごく稀に発生する欠陥品ぐらいにしか考えていなかったんです。子供の頃には。
でも、実は誰しも心の中には色んなポンコツを抱えていて、ちょっと気持ちのタガみたいなものが外れると、イケてない行動や言動がポロリしてしまうような事があるんじゃないかと思っています。まさに紙一重というかね。



まあそもそも、子供の頃は、子供と大人はまるで別の生き物ぐらいに思っていましたが、大人なんて子供の延長線上にある存在なので、いつまでも変わらない、ある意味危うい部分があるからこそ人生のファンタジーは続いていくような気がします。

大人になっても色んな事に夢中になったり、死ぬほど笑ったり、めちゃくちゃ動揺したり、悲しくて号泣したり、、、けっこう子供の頃と変わらないですよね。

そんな感じで、自分が子供時代に心に描いていた「大人」もしくは「大人になった自分」に対してがっかりする部分もありつつ、逆にそれが世の常だと受け入れつつ、できれば子供の頃の自分に胸を張って「20年後の俺はある意味イケてるから安心しろ!ビシッ!」と言えるような生き方を目指したいです。


、、、みたいな事を考えつつ、この曲が出来ました。




また、サウンド面についてですが、CittYには珍しいBPM速めのロッキンな8ビートです。
この曲の主人公が時空を超えて駆け回っているような映像をイメージしつつ、とにかく疾走感とキラキラ感をコンセプトにアレンジしてみました。

歌も、各楽器のアレンジも、ピコピコしたアルペジエイター的なシンセも、全てそのコンセプトに向かって、うまく集約されたんじゃないかと思っています。

実際僕はここまで本気で打ち込み作業をやるのが実際初めてでしたし、シンセとかシンセベースとかの音色ひとつ決めるのにもすんごく苦労しました。生音と打ち込み音の混ざり感とか。でも色々勉強になったし、楽しかったー。

このあたりに関しては、エンジニアの宮崎さんも色々とアドバイスをくれたり、大技を駆使してくれまして(ほんとにアルバムを通して色々と無茶を聞いていただきました、、、)、CittYの新しい一面を体現する事ができました。



この曲はライブでもたまにやっていますが、2015年もちょくちょく登場するかと思います。
ありがたいことに、この曲かなりリクエストが多いですし。


以上、「ユニバース」でした。




そして、お送りしてまいりました「セルフライナーノーツ完全版」、これにて完結です。
また、次の音源でお会いしましょう!ありがとうございました!