「 もうっ!!!ホントにムカつくー!!! 」

 

「 また、パパが原因!?? 」

 

「 えっ?! なんで ・ ・ ・ 」

 

「 だって、長女が怒っているからー 」

 

「 娘の怒り = パパ 」

 

「 奥さん、今日は違いますよ! 」

 

「 ねえ、ねえ、どうしたのさぁ~ 」

 

「 実は私、今月末の文化祭の当番になっちゃったの 」

 

「 ふむふむ、それは良いことじゃないですかぁ~ 」

 

「 大役じゃないですかぁ~ 」

 

「 順番で役が回って来るだけだから、別に大役じゃないんだけどね。まぁ~それでも文化祭が嫌いじゃないから、当番を受けたんだけどね ・ ・ ・ 」

 

「 じゃぁ~何に怒っているの? 」

 

「 私たち当番の言うことを聞いてくれない人がいるんだよっ!! 」

 

「 数人っ!! 」

 

「 まぁ~、どこの世界にもいるんだよねぇ~。非協力的な人達ってね~ 」

 

「 それに、何十人もの人たちに同じ方向に進んでもらうのって~

  ものすご~く大変で体力がいるんだよねぇ~ 」

 

「 全然、私たちの言うことを聞いてくれないんだよっ!!! 」

 

「 まぁ~まぁ~、そう熱くなっても良いことないよ~。逆にもっと反発されちゃうよ~ 」

 

「 じゃぁ~、パパならどうするのよっ!! 」

 

「 そんな役は絶対、受けない 」

 

「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」

 

 

 

「 まぁ~、でも引き受けちゃったんだから説得するしかないよね~。大変だけど ・ ・ ・ 」

 

「 パパは、頭が良くないからさぁ~、気の利いたアドバイスができないけど ・ ・ ・ 

  そうだなぁ ・ ・ ・ たとえば ・ ・ ・ 北風と太陽っていうイソップ童話を知ってる? 」

 

「 北風と太陽のどっちが早く旅人の上着を脱がすことが出来るかっていうやつ? 」

 

「 そうそう 」

 

「 それがなんなの? 」

 

「 パパは、あの本を読んだ時にさぁ~、人が動くと物が動くは、違うんだなぁ~って子供ながらに思ったんだよね~ 」

 

「 パパ、本読むんだ ・ ・ ・ 」

 

「 失礼だな!4年に1冊ぐらいの頻度で読んでますよ ・ ・ ・ 」

 

「 なにそれ、オリンピック並みじゃんっ!! 」

 

「 まぁ~それは冗談として、とにかく頭ごなしに指示するのはダメだと思うよ 」

 

 

 

「 指示 」  ⇒  「 お願い 」  に 変える

 

 

 

「 自分はこれをやるから、あなたはこっちをやってもらえないかなぁ ・ ・ ・ みたいにね 」

 

「 それでも言うことを聞いてくれなかったらっ? 」

 

 

 

「 そしたら、環境を変える 」

 

 

 

「 環境を変えるって、どんな環境に変えるの?よく分かんないんだけど 」

 

「 非協力者達が手伝わなくてはならない環境をつくる 」

 

「 具体的には? 」

 

「 みんなそれぞれに役割をもって頂いて、更に責任を持って頂く。当然、協力してくれない部分は、手つかずになってしまって誰にでも目に見えて分かっちゃうから、やらざるをえなくなる。みたいにね。それでも、協力してもらえないんなら、その時は協力者たちみんなでフォローをするんだね ・ ・ ・ 」

 

「 う~ん、難しいなぁ~ 」

 

「 文化祭の準備って楽しいー!!って思ってもらえたら、こんな苦労も要らないんだけどね ・ ・ ・ 黙ってても自ら率先して作業をしてくれると思うからね ・ ・ ・ 」

 

「 本当はそれが、一番なんだけどなぁ~ 」

 

「 こんな楽しみがあるんだとか、こんな楽しみ方があったんだ ・ ・ ・ みたいな提案ができるとよりいいんだけどね ・ ・ ・ 」

 

「 じゃぁ~さぁ~、パパが毎朝、私のお弁当をつくってくれるのはお弁当づくりが楽しいー!!って思うからなの? 」

 

 

【 金曜日 】

 

 

 

「 ごめん、それは違う。ママが怖いから ・ ・ ・ 」