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購入データ
題名・銀河鉄道の夜
作者・宮沢賢治
発行・角川書店み1-3
改訂新版発行・平成8年5月25日
平成15年5月25日改訂14版


宮沢賢治は岩手県花巻の出身。作品の創作も舞台もほとんど花巻周辺となっています。
実は私が住むところから車で1時間半くらいなところなので、いわゆるイーハトーヴには何度も訪れており、賢治への想い入れも強いです。
賢治の代表作でもある銀河鉄道の夜ですが、不覚にも未読だったので購入。
昭和初期に書かれた作品ですが、銀河を巡る鉄道という斬新な発想、乗客が織り成す幻想的な出来事、それらは読んでみるとまさに賢治の世界であり、死の直前まで修正され続けたというこの作品は賢治の集大成なのでしょう。
結局作品は未完であり実際途中抜けている箇所などもありますが、結果的には読み手側の感性に委ねられたと言えなくもありません。
ラストで主人公は共に旅した親友の死?に直面します。
しかしそれでも家で待つ母を気遣いその場を去ります。
この辺りの表現はふるさとのことを一番に考えた賢治の心が表れているのかもしれません。
現在、花巻市の郊外にある宮沢賢治記念館。
その周辺にある森や林の中を歩いてみると、まるで賢治の物語に迷い込んだような気がしてきます。
賢治の作品に共通しているみずみずしい表現や清明な心は、賢治自身もさることながら花巻の独特な雰囲気…つまりイーハトーヴが育んだのかもしれませんね。