富山県が富山空港の愛称を「富山きときと空港」から「富山高山すし空港」に変えると発表した。「きときと」とは富山弁で新鮮を意味する言葉ということだが、一般にはわかりにくい。そこでインバウンドも含めた観光客誘致のために「すし」を名称にいれたらしいが、よくわからないのは「高山」。高山は岐阜県の飛騨高山のこと。人気観光地とはいえ、なぜ富山県外の地名をいれたのだろうか?
 2012年に「きときと空港」に選定するにあたって「らいちょう」「アルペン」「アルプス」の言葉を用いた案に絞り込んだ経緯があったそうだ。富山といえば、チューリップのほか名物としてホタルイカやシロエビが美味で知られる。あご(食べ物)に「すし」、まくら(観光地に)に「(なぜか県外の)高山」をセットにしたのだろうが、理解に程遠い。
 黒部や立山など魅力的な観光地があるのに他県の高山を採用するとは自ら地元の観光地に自信がないことを暴露しまっているかのようだ。あまりにも情けない。90年代にドイツのルフトハンザ航空が「ルフトハンザでドイツ旅行」を標語にキャンペーンしていたことを思い出す。プライドをかなぐり捨ててドイツの都市よりイタリアの都市めぐりのほうがはるかに集客をみこめると腹をくくってビジネスを優先した。ちなみに空港から高山への直通の公共交通機関はないとのこと。ビジネス目線にたったとしても中途半端な決定だ。
 最近では地方空港の愛称の有名所として「鳥取砂丘コナン空港」「米子鬼太郎空港」「岡山桃太郎空港」「高知龍馬空港」があるが、もっと富山の魅力が伝わる名称はなかったのだろうか? 折も折り、アメリカ・フロリダ州にあるトランプ大統領の邸宅「マー・ア・ラゴ」に近い「パームビーチ国際空港」が、名称を「ドナルド・J・トランプ大統領国際空港」へと変更したとのニュースが重なった。個人崇拝問題とは無関係なだけ、マシかもしれないが、語呂もよくないし、とても富山のためになるとも思えない。