アメリカ在住のインド人の市民活動家がネット上の架空政党を設立した。
 インドでは医学部の全国統一試験が漏洩したことで大規模デモが発生、治安当局の取り締まりによって多数のけが人がでた。貧しい紅茶売りの子からのしあがったモディ首相は大衆支持を失うことを恐れ、教育大臣を更迭したが、インドの最高裁長官が若者をゴキブリ呼ばわりしたことから、与党のインド人民党をもじったユニークな政党が誕生した。
 かつて18世紀のイギリスでは王権と国教会を重視する保守派のトーリー党、議会と宗教的寛容を重視する反王権派のホイッグ党という政党があった。
「Tory(トーリー)」とは、「アイルランドの強盗」、「Whig ホィッグ(ウィッグ)」とは「スコットランドの謀反人」という意味で互いに敵対する同士による呼び名をそそのまま自称した。トーリー党は現在の保守党、ホイッグ党は自由民主党に連なっていく。
 アメリカでも19世紀前半にホイッグ党という政党が生まれている。米英戦争の英雄ジャクソン大統領に反発し、結成された。(ジャクソンはトランプが敬愛し、肖像を執務室の中心に掲げているが、民主党初の大統領。いかにトランプが国是よりポピュリズムに重きをおいているかがわかる)
 権力を濫用し専制をふるう暴君=ジャクソンに対して、共和主義を掲げて抵抗する彼らは、「ホイッグ」(その頃、イギリスのホイッグ党は自由党に党名変更)と称した。ただ奴隷制度に対する対応で分裂し、20年後に結成された共和党に吸収されている。
 自嘲的な党名は長続きはしないようだが、20年間に、ホイッグ党からは20年間に4代の大統領を輩出した。かつて日本でも選挙で比例代表制が始まってから「税金党」「サラリーマン新党」なるものが実際に生まれ、議席を獲得している。どちらもいまは存在しないが、給与所得控除の増額という成果を残した。
 SNSが発達する時代ではネット上で侮蔑する用語や発言が氾濫している一方で、政治家や文化人による差別的・強圧的発言がたた叩かれる。そのためインパクトを持つ標語は生まれにくい。ただ今後、何かの拍子でのうっかり失言によって何かしらインパクトのある政党名が生まれる可能性がある。「野党がまとまれないから、インパクトのある政策がうまれないのか」「有効な政策が見出せないために野党がまとまれないのか」不透明だが、どのみちミニ政党乱立状態になるのであれば、逆手をとって党名だけで一点突破なる政策がわかる政党の誕生を期待したい