昨日の日経平均の日足は小陽線でした。



5日線(27615円)を6営業日ぶりに下回りパラボリックが陰転するなど短期的には良くない基調です。
3営業日連続で値上がり銘柄数と値下がり銘柄数がほぼ同じとなっていますし、東京エレクトロン除いた日経224だと+12.48円とプラスです。
構成比高いファーストリテイリングの寄与額は+0.34円、ソフトバンクグループで+0.21円とほとんど影響はありませんでした。
ドル建て日経平均も-0.17%と小動きで、VIXも連日16前後とSQ週とは思えない低水準に留まっています。

 

投資部門別売買状況個人投資家が683億円買い越し海外投資家が67億円売り越しとなっています。
先物では海外投資家は2505億円買い越しとなっていて、中でも日経平均先物の買い越し額は2855億円とほぼ全てを占めています。


米新規失業保険申請件数は+19.6万人と市場予想(+19.0万人)を上回り6週ぶりの増加となりましたが、歴史的には低水準で雇用が堅調であることを示す結果となりました。
大手ハイテクでは大量解雇が目立っていますが、中小企業では従業員を手放さないケースが多いようです。

 

ブルームバーグより引用




アメリカ個人投資家協会の調査によると、半年後の株価について強気派が37.5%と2021年12月30日以来の高水準弱気派が25.0%と2011年11月11日以来の低水準となりました。
強気派が弱気派を上回ったのは昨年3月31日以来のことです。


アメリカ個人投資家協会より引用

 



話題が少ないので日経平均株価についての裏話を入れたいと思いますが、日経平均株価の算出方法は株価が大きい銘柄の影響が大きくなる単純平均が用いられている(分割は考慮)のですが、EPSやBPSの算出方法は時価総額の大きい銘柄の影響が大きくなる加重平均(TOPIX方式)が用いられています。
本来であればEPSやBPSは株価算出方法と同じ単純平均で算出されなければおかしいわけですが、日経新聞朝刊を始めとする世間一般で言われているEPSやBPSはなぜか加重平均で計算されているため、当然PERやPBRも加重平均の値が記載されているために大きな歪みが出てきます。
現在加重平均のEPSは2126、BPSは23576ですが、単純平均で見るとEPSは1668、BPSは17240と差は歴然です。
加重平均で算出されるということは日経平均EPSやBPSはNT倍率の影響を受けます。
NT倍率が上がれば業績が何も変わらなくてもEPSが上がってPERが下がる仕組みになっています。
よって日経平均EPSが上がっていてもNT倍率も確認せずに「業績が良くなっててぇ~」と騒ぐのはお門違いということです。


また構成比も単純株価によって決まるため日経平均は株価の高い銘柄の影響を大きく受けます。
その筆頭が現在の構成比は10.12%もあるファーストリテイリングで、1ティック(10円)動く度に日経平均に0.34円も影響を与えます。
一方、構成比最下位の三井E&Sホールディングスがストップ高となってもたった0.27円しか日経平均への影響はありません。
加重平均で算出されるTOPIXは構成比の高い銘柄は時価総額が大きいために指数を動かすためには多くの資金が必要となりますが、日経平均は一部の銘柄に構成比が集中している上に時価総額もTOPIXほど大きくないので指数を動かしやすいということです。

 



そして日経平均株価と言うのは当たり前ですが日本の株価指数で円建てなのですが、実際は米国株と密接に連動しています。
このところ米国株と比べて日経平均(黒)は底堅いという話も聞きますが、それは単に円安だからというだけでドル建て日経平均(青)はS&P500(赤)と連動する動きをこの1年間続けています。
よって今後の日経平均の動きを予測するには親分である米国株の動きを予測せずに語ることはできませんし、このところ値動きの大きい為替の予測も欠かせないということになります。

 

 

 


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では良いトレードを!