flower
五輪『深い根』
終りのチャイムが学校に鳴り響く
「きょーつけー、れい」
「「さよーならー」」
すぐに私は屋上へ向かう
奏音は永遠と話している
私が来てから奏音は4~5分で来た
「用ってなにー?もしかして告白とか?」
「奏音だよねこれくれたの」
と手に持った指輪を見せる
「……気づいてたんだ」
奏音が笑顔で答える
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今回の学校では友達できるかな?
1人でもできたらうれしいなぁ……
「じゃあ増炉とりあえず皆に自己紹介」
自己紹介……皆、僕の方に注目してる
「………増炉奏音ですよろしくお願いします」
「声ちっさ」
「なんか暗くね」
目の前の子が小声で話してるのがふつうに聞こえてしまった
やっぱり自己紹介は失敗に終わってしまった
小学4年生にもなって自己紹介もできないなんて
かっこ悪いな……僕
席は窓側の一番後ろの席だった
目立たなくていい席だな…
こういう時って隣の席の子にあいさつしないと
転校はこれで3回目
さすがに一応そのくらいは学習した
「よろしくね奏音っ」
わーかわいい子だなー
性格も明るそうだしきっとモテるんだろうな
あっ受け答えしなきゃ
でもなんていえばいいんだろうか
「………」
なにも言えずにいた
「うわあいつ無視したよ」
前の子が小さな声で言った
すごい感じの悪い人だって思われちゃったな
休み時間に挽回しなきゃな……
「これで2時間目に授業を終わります」
「「終わりまーす」」
休み時間だ
「奏音っ一緒にドロケイしよーぜ」
だめだ緊張して声が出ない
「無視してるしいこーぜ」
「あっ、んーオレやっぱ足筋肉痛だしやめとくわー」
「筋肉痛でとか輝世希いつから軟弱キャラだよww」
もしかして僕に気を使ってくれたとか?
それはないよね自意識過剰すぎるだろ僕
「ねー奏音ってどこから来たの?」
答えなきゃ
答えなきゃ
「輝世希ーー手伝ってー」
あっ隣の席の子だ
「ごめんオレから話しかけたのに」
そう言い残して手伝いに行ってしまった
なんで僕はすぐ緊張してしまうんだろう
そういえば今の子と隣の席の子の苗字知らないな
皆名前で呼んでるし
5分休憩のたびに隣の子は人に囲まれてるな
僕には絶対手を伸ばしても届かない存在って感じだな
名前は緋紫ちゃんと輝世希くんか……
クラスの誰とも会話できずに1日が終わった……
転入してから1週間が過ぎた
1週間誰からも話しかけられなかった
緋紫ちゃんからも
輝世希くんからも
また休み時間は本読んで過ごす
5時間目
1か月後に水族館に行く遠足があるらしくて斑をくじ引きで決めた
「おっ緋紫と一緒じゃん」
「やったー」
輝世希くんは緋紫ちゃんたちの斑だったらしくてハイタッチして喜んでいる
「おっしゃー緋紫と同じ班だ‼」
「いいなーーー絶対楽しいよ」
前の人も緋紫ちゃんの班だったらしい
これで緋紫ちゃんと同じ斑になれるのはあと1人になった
僕も緋紫ちゃんと同じ班がいいなぁー
次は僕がくじを引く番だ
可能性は8分の1
当たれ
当たれ
ドキドキしながらくじのトランプを見ると
緋紫ちゃんと同じ斑だ
先生にトランプを渡して黒板に僕の名前を書く
緋紫ちゃんたちがいる3斑の場所に
「あっ奏音私たちの班じゃん」
わかりやすく緋紫ちゃんと輝世希くん以外の3人がいやな顔した
まぁそうだよね…
僕だもん
5時間目が終わり
学校が終わる
「ねっ奏音今日ヒマ?」
え…僕?
ちゃんと答えるんだ僕
「……うん」
「だって輝世希」
輝世希くん?
「おっマジか」
嬉しそうに笑う
「今日遊べない?」
「僕とですか」
「いやいや奏音以外に誰がいるんだよ」
ははっと笑う
「じゃあかえったら正門ね」
「ばいばーい」
2人は走って帰っていった
人生で一番うれしいかもしれない
僕は家まで止まらずに走って帰った
「ただいまーーお母さん遊びに行ってくるーー」
遊びに行くという言葉に少し驚くお母さんにも見向きもせず
僕はランドセルをリビングに置いていって
自転車の鍵と携帯とゲーム機と少しのおこづかいをカバンにいれて家を出た
正門にはもう2人はいた
「ごめん遅れた」
今から遊ぶと考えただけですごく楽しい気持ちになれた
「いやー遅れてはいないと思うよ」
笑う2人
自転車じゃない僕もしかしてKY?
「自転車……」
「あぁ気にしないでいいよオレと緋紫で競争するために走ってきただけだから」
やっぱ優しいなぁ
「ってことで私んちへゴー」
そういって走って行った2人
「あっ」
結構学校から近いんだなー
「チャリはその辺おいといていいよーちなみに隣は輝世希んちね」
一軒家だ
「お邪魔します」
「なんか緊張してる?」
階段をのぼりながら後ろを向いて聞いてくれた
「初めてだから同じクラスの子のうちとか」
「ほへー」
緋紫ちゃんの部屋は水色率がたかかった
「お菓子こんなんしかなかったよー」
お皿にお菓子をのせて持ってきてくれた
「そーいや迷惑じゃなかった?」
「いやそんなっ悠希さんと雅夜さんに誘ってもらってすごく嬉しかった」
なんかすごい即答で勢いよく言っちゃったなぁ
引かれたらどうしよう
2人ともびっくりしてるし…
「悠希さんだって」
「雅夜さんだって」
2人はお互いを見合ってすごく笑ってる
「いやーオレのことは輝世希って呼び捨てでいいし緋紫のことも緋紫でいいよ」
「てか私たちのこと苗字でしかもさん付けで呼んだらみんなから爆笑の渦だよ」
涙が出るくらいすっごく笑ってる
「じゃあ緋紫と輝世希で」
自然と笑顔になった
「ん奏音の笑顔初めて見た」
目を輝かせた感じに笑う輝世希
「てか普通にかっこいいじゃん」
と僕の長い前髪を横にどかせた
「あっホントだぁ」
わっ
「奏音顔真っ赤」
クスっと笑う
自分でもなんとなくわかる
頬がほてってる気がする
かっこいいだなんて生まれて初めて言われたと思う
すごくうれしかった
だがしかし楽しい時間はすぐに過ぎてしまう
帰る時間になってしまった
「じゃまた明日ー」
それから僕らは毎日のように遊んだ
2人のおかげでクラスの子とも仲良くなれた
まだ少し緊張したりするときもあるけど
こんなに楽しいとおもった学校生活は初めてだ
でも5年からは違う学校だ
また転校しなきゃいけないのだ
約半年だけだったけどすっごく楽しかった
緋紫と輝世希のおかげで明るくなれた気がする
次の学校では自分から話しかけよう
別れをネガティブに考えなようにしよう
そうだポジティブに考えよう
緋紫が教えてくれたことを知らない人ばっかのとこで発揮できるのか試されてるんだ
試練なんだ
それをクリアすればきっとまた会える
人と笑いあう楽しさ
人を笑顔にさせる幸せさ
人に恋すると気持ち
それを教えてもらった
緋紫に告白する勇気がないから僕は315円の安物だけど指輪をあげることにした
絆的意味でってことで
ピンポーン
「はーいっておぉ奏音どしたの?」
「僕転校するんだ」
やっぱりすごく驚いてるなぁ
まぁ誰にも言ってなかったしね
先生には口止めしてたし
「だからこれ」
そういって僕は手に持ったきれいにラッピングしてもらった小さなピンクの袋を渡す
「指輪?」
すごい?マークが頭の上にあるよ…
「うんなんとなくね」
笑ってごまかす
「ちょっと待ってて」
そういってダッシュで自分の部屋へ向かったっぽい
1分くらいで戻ってきた
「これ」
差し出した手にはうす水色の花のついたピンがあった
「指輪のお返し‼大丈夫片方は未使用だから」
笑顔で僕の手の上に置いた
「これ確か緋紫のお気に入りのピンじゃなかったけ」
前家に行ったときに
お気に入りだからあんま使ってないんだよねー学校につけていったらなくしそうだし
って言ってたやつだよね
「まぁねーまっ、でも気にしなくていいよ」
どこまでも優しい緋紫
「じゃあ1個もらっていい?」
僕は1個返す
「うんじゃあお揃いだね」
えへっと笑った
「というか男子にピンって変だね」
「ホントだ」
僕達は何が面白いのかわかんないんだけど笑いあった
「じゃバイバイ」
「うん……」
よかった別れが笑顔で迎えられて
次の学校では緋紫の隣にいても違和感のない
人気者になるんだ
いっつも笑顔で優しい僕に
いやおれに
 ̄ ̄

