春の香り | もつ焼き松っちゃん おかみの記

春の香り

 例年になく寒い冬に、春の到来を楽しみにしていた人は多いはずだ。

昨年より親しくなった友人がふきのとうをたくさん届けてくださり、春の

香りを楽しもうと軽い衣でまずは天ぷらを楽しんだ。


 さっと衣を付け、ヘタをつまんで油に漬し、軽くゆすると、つぼみが満

開の花になる。いただいたモンゴルのが岩塩でいただいた。最高の味。


 旬のものをいただくと季節のありがたさを感じるもので、日本の四季

は本来人として生きる上での大切な情緒を養うものだ。忙しい日常の

中で心と体をリフレッシュする一時が、旬の食材を料理しながら得られ

感謝、感謝。友人にお礼を言った。


 あまりに量が多かったので細かく刻んでごま油で炒め、ふき味噌も

作った。これがまた美味。天ぷらによし、お茶漬けによし、なんにでも

合い、春の香りを乗せてくれる。


 友人はもっぱら酒のつまみになると喜んでくれた。小さめのたけの

こを買い求め、たけのこご飯に乗せてもけんかせず美味しい。姫皮

につけたらこれこそ酒のつまみと、一つの食材から生まれるハーモ

ニーは人を幸せにしてくれる。


 料理を作る楽しさはここにあるのだと実感する。