子どもたちを育む環境 | もつ焼き松っちゃん おかみの記

子どもたちを育む環境

 子育て経験のない私が子どもの教育を考えるきっかけができ、今、

真剣に悩んでいる。私たちが育った環境と現在が大きく食い違ってい

ることが大きな要因だ。子どもの数が激減し、親も教師も子どもに集

中するのは仕方ないとしても、モンスターペアレントや親たちに対応し

きれずうつ病になる教師の増加など、過去にはあまり見られなかった

現状がどこにでもあることを知った。


 「お受験」などという言葉が流行りだしてから急速な変化が訪れたよ

うに思う。懐古趣味ではないが、昔は1クラスの人数も多く、担任教師

は大変だっただろうが、今よりはトラブルも少なく、成績だけで人を決

めつけたりしない優しさがあちこちに見られた。


 成績はダメでも体育ができるだけですごくモテたり、またちょっとお笑

い系に近いギャグで人気を博すクラスメートに心癒されたりと、いい思

い出は尽きない。


 当時は高度成長期、時代はまだまだ貧しく、社会全体が目標に向か

い進んだ時代。進み方の良し悪しは置いておくが、現代のように生活の

ベースが豊かな時代とはまったく違うのも当たり前なのだろう。百年に一

度の不景気とはいっても、物質的な豊かさの中で育った世代が親なのだ

から、飢えることを知らない世代を育む難しさは相当なものだ。


 学ぶ楽しさを教える教育、今、私はそのことを感じている。成績優秀で、

有名大学を出ても人間としての魅力に乏しかったり人格が問われる人間

はいくらでもいる。学ぶ楽しさを覚えれば、すべてに通じるはずだ。変にマ

ニュアル化された人間を作り出しても教育の意味はない。


 そう思うと私の人生の中で大きな影響を与えてくれたのは一人の教師と

母だったように思う。今、私が関わっている一人の少年の成長を心から祈

り、母と子がこれからも幸せのメロディーを奏でていけるよう見守っていき

たい。