だから、この時は胸を吸われるだけで済んだけど、でも私の対応の甘さが、宮田さんを調子に乗せてしまった原因なので、そのあとのお仕事では、私は宮田さんを徹底的に無視する事にしました。

もちろん、お仕事の上で必要な事だけは話したけど、私が本気で怒ってる事を示すために、エッチなお話だけじゃなくて雑談を振ってきても絶対に取り合わなかったし、昨日以上に毅然とした態度で完全に無視したんです。

なので、宮田さんは初めのうちは、「大倉、怒んなよ。乳吸った事は謝るから。もうあんな事せえへんって」と謝って私の機嫌を取ろうとしてきたんですが、でもどれだけ謝られても私はずっと返事をしなかったので、途中からついに諦めたらしく、全然会話をしてこないようになりました。


というわけで、かなり険悪な感じで午前中が過ぎたんですが、私は態度を軟化しなかったので、お昼休みになっても私達の冷戦は続いてたんです。

だから、私と宮田さんが休憩中ずっと黙ってたので、バイトの男の子達はただならぬ空気を感じとったのか、いつもは事務所で休憩してる時はワイワイ騒いでるのに、その日はみんな黙っていました。

なので、そんな沈黙に嫌気がさしたらしく、宮田さんはバイトの楠木くんに話しかけました。

「おい楠木、お前最近どうやねん?確かこの前合コンいくって言ってたよな?いい女おったか?」
「いや、可愛い子はいたんですけど、結局ダメでした。最近調子悪いんすよ」
「なんやそれ。そういえばお前、事務の小島の番号ゲットしたとかも言ってなかったっけ?小島とはどうや?」
「う~ん。小島さんも無理っぽいです。誘ったけど拒否られたんすよ。あの子彼氏いてるし、ちょっと厳しそうっす」
「お前確か19歳やったよな?若いくせに情けないのう。彼氏とか気にせんとガンガン攻めろよ。大倉を少しは見習え。三十路で人妻やのにバンバン遊んでるぞ」
「えっ?マジっすか?大倉さんって、そういう人なんすか?」
「おう。大倉はセックス大好きやからな。スポーツ感覚でヤリまくりや。こいつのこのボディライン丸出しのスケベな格好見てみい。職場でこんな乳とケツと太もも強調した格好するような女が、遊んでないわけないやろ」

こんな感じで、突然私をネタにしたエッチな話になったし、しかも宮田さんは、ボディライン丸出しとか乳とケツと太もも強調してるとかも言ったので、バイトの男の子達の視線が一斉に私の方に向いたんです。

なので、胸や太ももを男の子達に凝視されて恥ずかしくなったし、それに否定しなかったら勝手なことを言われちゃうから、宮田さんとは会話したくなかったけど、この時ばかりは仕方なく割って入りました。

「はあ?アンタなに勝手な事言ってんの?楠木くんに嘘教えないで。全然遊んでないから。それに制服だって、キツいからもっと大きいのがいいって何度も言ってるのに、あんたが用意してくれないんでしょ」
「嘘ついてるのどっちや。お前遊びまくってるやんけ。セックスはスポーツやろ?」
「遊んでないし。ねえ、あんたさあ、私の何を知ってるの?プライベートで会った事ないのに」
「とにかく分かるねん。お前は絶対ヤリまくってる」
「だからなんの根拠があんの?てか、私あんたと会話したくないの。お願いだからもう黙ってくれない?」
「ヤリマンの根拠か。根拠やったらあるぞ。Tバックや。毎日あんなエロいTバック履いてる女が、遊んでないなんてあり得へんからな」

どれだけ挑発的な事を言われても、ずっと冷静に対応してたんですが、ただ、私がいつもTバックを履いてる事をバラされるのは完全に想定外だったんです。

だから、私はそれまでの冷静さを失ってしまったし、「ちょっと!やめてよ!みんなの前で変な事言わないで」と思わず焦ってしまいました。

なので、まるでTバックを認めるような発言をしてしまったから、言ったあとすぐにヤバいと思って落ち着こうとしたけど、でも私の動揺してる様子を、楠木くんはずっと観察してたんです。

だから、視線を感じて楠木くんの方をチラッと見たんですが、楠木くんは目が合ったあともじっと見つめてきたし、しかも、この話に食いついてきました。