8月13日分の「10秒講座」参ります。



旅僧に短冊の事を

訪ねられた所の者(ところのもの=地元の人)は

「去年の夏、松の木にとまった蝉を

カラスが寄ってたかって食べてしまった。

その供養の為、短冊をかけているのです。」と語り

弔ってあげてくださいという。

そこで、そうは松の木に向かって供養するわけですが

はじめの手向けの言葉が良いのです。

「痛わしや

その身ははかなき

夏の蝉の

秋冬知らぬ露の命

短き内の夢の世を

見果てぬるこそ

びんなけれ・・・」と。

この後、蝉の亡霊が登場するのですよ。


つづく・・・




はかなさに美しさを感じる日本人の感性。

地上に姿を表すのはたった1週間の蝉の命・・・

それすらも全うできなかった蝉のお話・・・。

慌しくかしましく鳴いている蝉も

こんな狂言を見た後だと

感じることが変わってくるかもしれません。