「心が現在の自分をつくる」


この言葉を聞いて、どう思うでしょうか?

現在の自分の環境。人間関係。そうしたことが、すべて自分が過去に心で決めたことだ、と聞くとどう感じるでしょう。


私はその昔、この言葉を、あるメンターに聞かされた時、「冗談じゃない」と思いました。誰が好き好んで、こんな最悪な状態になったり、嫌な環境に身を置くものか!そう感じたものですが、後になって、そのカラクリが分かるにつれて「その通りだ」と納得できるようになりました。


人間の心は、普段、自分の意識下に置くことができる顕在意識と、自分の意識の外にある潜在意識があります。具体的には、


「お腹空いたな」
「あの人素敵だな」


そうした、今この瞬間、考えていることが自分でも把握できる意識を顕在意識とすれば、「あの人素敵だな」と顕在意識で感じた時、あの人が素敵な理由・因子といったものが潜在意識になります。


話を戻しますが、自分の現在の環境が、自分が過去に決めたこと、というのは、もっぱら潜在意識下での話になります。

つまり、自分の意識の外で決めたことによって、現在の自分の環境が決められたということですが、それだけ、潜在意識というのは強い力を持っています。


なぜか、お金に縁が無いという人は、お金に縁が無い環境でいることを過去に決めたからです。理由は、多くの場合複数になりますが、お金を持ってしまうと不都合な何かがあるので、お金を持たないように決めているからです。

「お金をたくさん持っている人間は、ずるいことをした人間だけだ」
「お金をたくさん持つと、怖い人間に襲われるのではないか」

そうした観念が、潜在意識下に強く残っている状態だと、無意識のうちに、お金やチャンスが来ても遠ざけてしまいます。また、お金を持たないことによって、両親に無言の復讐を果たそうとするケースもあります。

「こんな状態になったのは、お前の育て方が間違っているせいだ」

こういう状態に陥ってしまうと、あらゆる豊かさへの可能性を閉じることになります。


仮に、あなたが大金持ちになり、幸せで豊かになった時、周りの人は友人でいてくれるでしょうか。体験したことがない、たくさんのお金を持っている自分になるというのは、今の自分のままではいられません。それだけ人は、未知の自分になるというのは、恐ろしく、怖いことだからです。


こういう具合に「お金」という事例一つとっても、潜在意識の中では、私達の多くが、実は豊かな状態を望んでいないことが分かります。

潜在意識を把握しようとしないかぎり、顕在意識でいかに、プラス思考になったり、頑張っても物事はそんなにうまくいきません。


私達が普段意識していないところで何を考え、どんな観念を持っているのか、それを知る方法については、また次回に書きたいと思います。