急に暑い日が続くようになった五月。

いつ会いに行っても、穏やかだなと感じる体調が続いている。

  身体の変化も細々と小さいながら、飛躍的な成長が見られている。
手の動き。 右手は割りと良く動かせていたが、動く指が増えてきた。言葉がけに反応して返事をするのは、もっぱら人差し指だけだったが、親指も小刻みに曲げようとする動きが出るようになった。
そして、左手の親指でも返事をするような動きが出てきている。

   口の中の動きも変化している。
しっかりと唇を閉じる能力がないので、いつも口は開いている。顎を動かし口を開いて閉じる動きもあるけれど、半開きには変わりはない。
唾液も飲み込めないので、弱い陰圧で継続して吸引している。
メラチューブと呼ばれている先端が渦巻き状の吸引チューブが常に口の中に入っている。
顔を動かして口の外に出てしまったり、逆に口の奥に入って留まっている事がよくあるが、微かに動く舌の動きが少し大きくなって、舌の力でメラチューブを口の外に出す事も見られているようになった。
   偶然だったのかもしれないが、何度、口に戻しても、いつの間にか口から出ている。
そういう事も以前には想像もつかなかった事だ。

   そして、それらの新しい動きの変化を、母親の私だけではなく、学校の先生や理学療法士さん作業療法士さんも感じて下さっていた。
思い込みではない、はっきりとした変化が割りと短い期間に現れている。そういう事もここ最近の大きな変化だろう。


   脳波が見られず昏睡状態と言われていた乳児期。CT画像で前頭葉にしわができていると言われ、感情は育ってきていることが認められた就学前。
入学してから、てんかん波のようなものが見られ、発作のような変化も表れるようになった。
   
   脳の状態も全損に近い出生時より、ずいぶんと変わってきている。




 

   学校に出掛ける準備をする時の顔付きが違うと、理学療法士さんから聞いた。
何かしら期待感を持ってバギーに座る
もー。
  心の内側から身体も変わっている事を実感している。