若かりし旅日記(第3話) | 不定期アクション投稿 私と日常

若かりし旅日記(第3話)

― 2日目 ― マンハッタン



明け方からガイドブックで宿泊先を探していた。



いきなり所持金がかなり少なくなったので、できるだけ安いホテルを探した。


英語が話せないのと、

昨晩の出来事によって極度のホームシックに陥っていた僕は

とにかく日本人が恋しく、日系人が経営しているというB&Bに

部屋から電話した。


が、満室だった。


絶望的だ・・。



落ち着かないので朝9:00前にチェックアウトしてホテル探しに出かけた。



外はめちゃくちゃ寒い。


(実はこの時期ニューヨークには凄い大寒波が来ていて

鬼のような寒さだったのだ。)



まずガイドブックに載っていたWMCAへ行ってみたが

受付の女性に受付けは午後1時からだと非常に非常に冷たく言われた。


午後1時まで待っていたら他のホテルも一杯になってしまうのではないか

と思い、他のホテルを探すことにした。



(外に出る時は、なめられてはいけないと

胸を張り、険しい顔をして堂々と歩くようにした。

ちなみに荷物は数枚の着替えを入れたスポーツバックひとつだけ。

なるべく旅行者に見られて狙われないようにした。

自分的にはニューヨーク在住の日本人を演じているつもりだ。)



もうホテルのアテは無いし、

日本人は1人も見あたらないので、誰かに聞くこともできないし、

英語はわからないし・・。


この寒さのなか、もしホテルが見つからなかったら


絶対に死んでしまう。


街を歩きながらどうしようもない孤独と恐怖に陥った。


とにかく日本人と話がしたい。

外人こわい。

国際電話の使い方がわからない。



しばらく歩いて、ミッドタウンでwolcottというホテルを見つけた。


恐る恐る「安い部屋は空いていないか?」と尋ねると・・


空いていた!



(ちなみに出だしの一言は「アイム プアートラベラー」だった。

日本人旅行者だと思って高い部屋にされるといけないので

貧乏をアピールしたのだ。)



料金は1泊52.96ドル(TAX込)だと言う。


「4泊できるか?」と聞くと、空いてると言う。


そのかわり、風呂とトイレは部屋に無く共同だと言われたが、

その部屋でOKした。


とりあえずホッとした。



部屋へ行くと、掃除の女性がいて、

「まだ部屋を掃除していないから掃除します。」と言った。


掃除をしてもらってる間、優しくいろいろと教えてくれた。

彼女はスペイン人の32歳で子供が2人いるらしい。

とてもいい人だった。


(この以後もそうなのだが、英語がさっぱりの僕でも

身振り手振りを合わせて以外と会話が成り立つことにおどろいた。)



部屋は、汚く狭い部屋だった。

ホッとしてベットに倒れると、そのまま寝てしまった・・。



目を覚ますと、なんともう夜の9時半頃だった。



1日が早くも終わっていた・・。



まず予約確認のTEL(確か飛行機の予約確認)をしなくてはと、

小銭を作りがてら外へ夕食を買いに出かけた。


夜の外出は怖い。


まず水を買いにコンビニ風の店へ行き、

その後マクドナルドでマックチキンセットを買った。


ホテルに帰り、ロビーの電話で予約確認をし、部屋に戻った。



とにかく落ちつかない。

ずっとドキドキして食欲もなかった。

とにかく何も手につかない。

どうしようもなく孤独である。


早くサンフランシスコへ行きたい。


帰りたい。



もう夜中の1時半頃だ。


風呂は入らないでおこう。(共同風呂は怖いし)


今晩も眠れるかわからない。



外はひっきりなしにサイレンの音が鳴り響いている。