「 道 」
Ⅰ
この道は
だれが描くのでしょう
砂に埋もれた
見えない道は
風が吹いて
姿を現すのでしょうか
*
言ったではないか
必ずそうなると
親が子を殺し
子が親を憎み
残虐が
地を埋め尽くす
*
道は
敷かれているのです
もうダメだと
呻くとき
道は
うっすらと見えてきます
*
絶望のなかに
希望を
暗黒のなかに
光を
叫びの中に
ほほ笑みを
*
言ったではないか
それでも
いのちの道は
失われることはないと
特別なことではないのです
一歩ずつはいと応えて歩くだけなのです
Ⅱ
ちらちら
小刻みに笹の葉の
どこかでオートバイの音
いのちは
動いて
やまず
*
苦しみの中に
深呼吸するとき
道は
前に続く
いのちは
一時も休むことはない
Ⅲ
どう生きましょうか
この道は
暗闇で
覆われているけれど
どう生かされましょうか
そうです
道はもう
連なっています
とことん
愛されるだけ
*
人生を
歩いていると
自分じゃないな
と
思う時が
ある
わたしは
違うのに
気づくと
そうなっている
*
ギリギリを
もうダメだとあえぎながら
それでも
はっと
目を
見張りながら
だれだろう
いつも
見つめられて
いるようで
motomi
※ 苦しみはなくなりません。だから見えてくるものがあります。