素描 | 一冊の詩集

一冊の詩集

人生終わるとき一冊の詩集が出来上がっていたら。
一日一日を大切に。

あれこれ計画していてもその通りにはならないことを、日々知らされます。

失敗してむしろ別の道が開かれていたことに振り返って気づきます。

いいことも悪いことも、今が最善と歩けたらいいですね。

荒れた気候、どうぞ体調に気をつけてお過ごしください。

どうぞ、心和やかな一日でありますように。

 

 

「 素描 」

 

  A

 

垣根で からすが鳴いています

路地で ネコがうなってます

 

一滴にも 一秒にも

答えをだそうとしたら

 

描けるかしら

私たち

 

ふん ふん

ふん ふん

 

肩をならべ土手にすわり

あいづちを打っている

 

小学校のひまわりが

子どもの背丈まで伸びたから

 

伸びあがって 頭をなでたの

大きくなれよ

 

そう そう 

そう そう

 

たしか この辺

行き過ぎたかしら

 

振りかえったら 

まっ赤な のうぜんかずらが見つめていた

 

あそこで 赤ん坊が飢えています

むこうで 銃声がしています 

 

答えは もう出ているから

いくつ 問いかけをみつけましょうか

 

今日

なにを発見しますか

 

毎日が

いのちの連動です

 

  B

 

閉じられた

絵本

 

たたまれた

ハンカチ

 

先の丸くなった

鉛筆

 

剥がれかけた

シール

 

泣きじゃくりながら

帰っても

 

いつも

待っていてくれるものたち

 

  C

 

あなたが

描いてくれた

 

壁の

いちまい

 

なんにも

言わないけれど

 

なぜかしら

熱く語り掛けてくるのは

 

突然来た

一通の便り

 

そんな

荒削りのあなたに

 

わたしの

人生は

 

深く

描かれていく

            motomi

 

※ 気づけばどの一枚も、人生を綴っています。