ジメジメした気候、見上げても空はどんより。
そんなとき心をハッとさせるもの。
紫陽花のあの輝きはどこから来たのでしょうか。
見回せば私たちはいつも励まされているような気がして。
どうぞ、心伸びやかな一日でありますように。
「大地のなかで」
a
買い物ぶくろを
玄関におくと
すぐに私は
下駄をつっかけ庭に出る
葉脈がすけて 青い情熱
いかり草
紅いつるを伸ばし 土を這う旅人
雪の下
切なくむすんだ 恋物語
山芍薬
息を すう
息を はく
大地とわたしが
ひとつになる
ふり向くと
落ちてゆく夕陽のなかに
じょうろを持つ父が
笑いながら立っていた
*
人間は
自然と共に描かれるのが
似合っているような
気がして
b
陽が長くなった
そしてすとんと闇になる
いつだったろう
どこだったろう
蠅が いっぴき
何かを探すように
いつまでも 電球を
めぐっていたのは
木枯らしは去った
これからは白い太陽の季節
そして希望は
ガラス窓の薄日のように
いつも
やさしく射し込んでいる
感じながら
暮らしたい
大地の果てまで
そよぎながら
c
大きな雲
横並びに
手を広げる
風が
素肌に
心地よく
*
今日は
保育園も
ひっそりで
片すみに
なんという名か
いつか見た花
*
青竹が
空に突き刺すように
まっすぐに
あなたたちは
決して
諦めない
*
この風景
老いた二人が
手をつないで歩く姿
後ろから見送った
いま ふと
心温められて
*
緑 爽々
大地に吹かれ
幾ばくかの花びら可憐に揺れる
見上げれば摩天楼
ひとひらを
慕いつつ 慕いつつ
motomi
※ 聴いて、感じて、こだまする、今日も出会いが待っています。