被災地でまだまだ不自由な暮らしを強いられている方々、一日一日をどのような思いで過ごされているのか。目を世界に向ければ、さらに悲惨な光景が広がります。
自分のことで精一杯という前に、まず今を共に生きる一人一人のために祈れたらと願います。
一刻も早く、必要なものが必要な場所に届けられますように。
どうぞ、心なごむ一日でありますように。
「五月のころ」
A
ガラスの器に
真っ赤なほっぺ
つややかな
ほほ笑みを
ちょんと
つつく
さくらんぼに映る
あなたのすがた
いまも
校庭の片隅で
歌をうたいながら
花びらをひろっている
五月の
この日
少女は
柳の下で待ちわびていた
この世に
あなたがやって来るのを
B
この道は一本しかない
人生という道
人は歩く
与えられた道を
じっと自分に
耐えながら
*
地上に上がると
ふっといい匂いがした
沈丁花は通り過ぎたころ
ほのかに漂う
つつましく咲く花は
人生にやさしい
C
シャッターをあける
銀色の雲に向かって走り始める
鳥の群れが矢印になって
向こうの空に飛んでゆく
追いかけるように竹やぶの上を
一羽の鳥が横切った
*
間に合うでしょうか
間に合わないかもしれません
それは
そのとき
いまは
進め
*
生きるって
信じつづけることかもしれません
今日も夜が明けました
信じられています
これほど
にも・・・・
motomi
※ 足あとの一つ一つが、今を共に歩いています。