めぐる思い | 一冊の詩集

一冊の詩集

人生終わるとき一冊の詩集が出来上がっていたら。
一日一日を大切に。

時代は変わります。けれど古いものは廃棄されるのではなく、その上に構築されるのです。

失敗も、破綻も意味のないものはありません。

今は途中、私たちはさらに前に進みます。

どうぞ、心穏やかな一日でありますように。

 

 

「めぐる思い」

 

  a

 

あたしも いつか・・・・

 

こんなに ゆっくりに 

なるのかなあ

 

こんなに がんこに 

なるのかなあ

 

こんなに やっかいものに

なるのかなあ

 

いやだなあ・・・・

 

でも あたしたちより

ずっと ずっと

 

愛されて

いるみたい

 

神さまは

小さなものがお好き

 

  b

 

小舟は川をすべり

やがて大河に至る

 

今日をはじめるまえに

人は昨日を告げねばならない

 

自分がだれであるかを

人は人生に一度問いかける

 

それは

太陽か 土か 炎か 花びらか

 

捕らわれの身であるものが

解放されるのはいつだろう

 

それは 

たった今かもしれない

 

  *

 

夢は人を

舟にのせ

 

かなわぬこの世を

旅させる

 

とりとめのない歌を

口ずさむものたちよ

 

生きるために歌う

鳥たちの声を聞け

 

嘆きながら歩くより

歩きながら嘆くなら

 

その足取りは

幸いに満ちる

 

  *

 

夢にでてきた

あなたは

 

とてもとても

小さかった

 

そんな

あなたと

 

手をつなぎ 

土手を走った

 

  *

 

むかし一杯の椀を

分けあったことを

 

たぐり寄せ

語りあうなら

 

足もとに

ひとひらの

 

明かりが

灯るだろう

 

  *

 

手のひらに豆をつくり

血をにじませて

 

今日も 

こぐのは

 

うつくしさの

ためではなく

 

あなたとともに

人類を記すために

 

  c

 

昨日は

なにをしただろう

 

今日

なにをするだろう

 

そして

明日は明後日は

 

めぐらせ

めぐらせ

 

そして

突然!

 

宇宙の

果てで

 

空っぽに

なる

          motomi

 

※ 解決はしません。それでも悩みつづけます。