コラム | 一冊の詩集

一冊の詩集

人生終わるとき一冊の詩集が出来上がっていたら。
一日一日を大切に。

もうこれで終わりということはありません。まだ出会っていないものがたくさんあるはず。

当たり前に過ごしていた1つ1つに発見は隠されています。

目線を同じにするとき、相手が見えてくるのかもしれません。

どうぞ、心安らかな一日でありますように。

 

 

「コラム」

 

  A

 

覚えているかい

あの星空

 

小さな

部屋で夜明かししたっけ

 

君が悩み

僕が考え

 

僕が問いかけ

君がうなずき

 

みそ汁や

ラーメン

 

たまらなく

うまかった

 

覚えているよ

君の姿

 

最後まで

勇敢だった

 

いや

やめよう

 

また

涙が溢れそうだ

 

僕は

いま歩いているよ

 

君と目指した

この道を

 

  B

 

もう

何年たっただろう

 

ボクも

若かった

 

キミは

今も変わらない

 

気づかない

ことばかりだった

 

これからも

そうかもしれない

 

ますます

わからない

 

だから

すこしだけ

 

キミの

痛さが

 

わかるの

かもしれないなあ

 

  C

 

なぜここに

花が咲いているのでしょう

 

なぜここに

小石がころがっているのでしょう

 

なぜここに

風が吹いているのでしょう

 

なぜここに

水が流れているのでしょう

 

なぜ

ここに

 

それは

あなたと

 

人生にたった一度

出会うため

 

  D

 

あなたが

ほほ笑んでいる

 

その花たちに

 

あなたが

驚いている

 

その鳥たちに

 

あなたが

叫んでる

 

その山々に

 

あなたが

飛び出していく

 

その海原に

 

あなたが

いる

 

あなたが写した

 

この

一枚に

 

  E

 

あなた・・・

そこにいるだけ

 

ときどき

笑いかけて

 

ときどき

うなずいて

 

ときどき

驚いてくれる

 

あなた・・・

そこにいるだけ

 

のんびりで

あっけらかんで

 

ただ

なんだか

 

すっごく

あったかくって

 

  F

 

あのときだっこされた

母さんの胸

 

あのときおんぶされた

父さんの背中

 

あのときつなぎあった

友達の手のひら

 

ふっと

浮かぶ

 

あのときの

やわらかさ

 

  *

 

どう伝えたら

いいんだろう

 

花たちに鳥たちに

そっとたずねてみようか

 

あなたが

そこにいる

 

なんてやさしい

できごと

 

  G

 

キミは

なにを見ているのだろう

 

遠くの雲

彼方の風

 

キミは

なにを聴いているのだろう

 

微かな呼び声

あの言葉

 

  *

 

ちっぽけだね

ボクもキミも

 

デッカイね

夢も宇宙も

 

不思議だね

たったいま

 

この空の下

この時の中

 

  *

 

ああ いつの間にか

もう こんな時間

 

聴こえるね

感じるね

 

みんなが

呼んでる

 

ボクたち

生きているんだね

 

  H

 

いいね

そんな世界が来たら

 

いいね

だれもがそこにいて

 

いいね

ひとりひとりがステキなんて

 

  *

 

原っぱを思いっきり駆けたよね

あのころ

 

ケンカしてまた仲直りしたよね

あのころ

 

肩を抱き合い泣いたよね

あのころ

 

  *

 

なにも

しなかったけど

 

いっしょに

感じて

 

それで

よかった

 

  *

 

はじめの

はじめ

 

人間は

だれもが

 

はだかんぼうで

つくられた

 

  *

 

いっしょに

描こう

 

なんにも

いらない

 

そこに

いるだけ

 

  *

 

いいね

そんな世界が来たら

 

いいね

だれもが人間で

 

いいね

ひとりひとりがいのちのまんま

                motomi

 

※ 誰の心の中にも、「言葉」が生まれたがっています。