花の咲くころ | 一冊の詩集

一冊の詩集

人生終わるとき一冊の詩集が出来上がっていたら。
一日一日を大切に。

自分で自分を知ることはできません。人を通して自分を知ります。

どこに立っているのか、どんな姿をしているのか、毎日気づきながら歩きます。

今日の出会いを大切に。

どうぞ、心豊かな一日でありますように。

 

 

「花の咲くころ」

 

  a

 

花に心をこめると

花はこたえる とききました

 

本当でしょうか?

 

裏切っても

ののしっても

 

愛でしょうか?

 

夜ふけに

花びんの水をかえました

 

それでもやはり・・・

 

信じて

生きたいからです

 

  b

 

一枚の絵ハガキ

素敵なところね

 

人間って

置かれたところで

 

きっと

心の色が変わるのね

 

なにを 聞いて

なにを 見て

 

なにに 吹かれ

なにに 呼ばれ

 

人間は

描かれてゆくのかしら

 

ほら こんな所にも

ひとかけらのきらめき・・・・

 

あなたが

そこにいる

 

それだけでわたしは

ここにいる

 

  c

 

収容所の壁には

無数のチョウが羽ばたいていました

 

最後の夜子供たちが

夢を託して描いたのです

 

  *

 

夢と希望と

よろこびは

 

どこから

やってくるのでしょう

 

  *

 

あなたに

カードを送りました

 

白いチョウが舞う

カードです

 

  *

 

人間は大昔から

夢を託しました

 

太陽が輝く

大空へ

 

  *

 

今日都会は

曇っています

 

ビルが

陽炎のようにゆれて

 

  *

 

飛び立った

無数の夢たちが

 

羽ばたいているのが

見えますか?

 

  *

 

お大事に

なさってください

 

窓の外は春

いのちの芽生えが見えますよ

 

  d

 

あったかで

気持ちいいなあ

 

お日さまって

こんなに大らかなんだ

 

あの雲

素敵だなあ

 

あなたに出会うために

この坂を上って来た

 

  *

 

とうさんが

ここで立ち止まったっけ

 

かあさんと

ここで花をながめた

 

いま

ゆっくりと呼吸します

 

  *

 

花が満ちて

光がこぼれる

 

つぼみは目覚め

喜びのうたごえ

 

そんな季節を

からだじゅうで感じている

 

子どもたちよ

元気にひらけ

               motomi

 

※ 気づけば、心にいちりん、灯っています。