市中テナントビル診療での透析排液中和装置
透析装置等消毒時の排液PHは神戸市下水道条例排水基準を逸脱しており、コンクリートや水道管の腐食の危険性があります。
そこで下水に流す際、炭酸水素ナトリウム溶液(B液原液)を使用した中和装置を作成し実用に至っています。
当院の構造
当院はテナントビルの3~8階を使用しており、1、2階には他施設が入居しています。
透析装置等の消毒状況
B液排液装置
○7階 設置面積40cm×40cm
50Lポリタンク、移送ポンプ、循環ポンプ、電磁弁、流量計
排液装置フローシート
透析終了後、残液を自動で排液用タンクへ移送し貯留します。
消毒液が排液される際、循環ポンプ、電磁弁を連動させニードルバルブで流量調整し排液します。
B液排液のタイミング
配管系統図
排水の流れ
このシステムは当院の排水構造に合わせて考案したのもです。
より詳しい内容が知りたい場合は見学等も可能ですので、お問合せ下さい。
2019年10月4日(金)に、毎年恒例の談話会・懇親会を開催しました。
神戸市立医療センター中央市民病院腎臓内科 伊藤誠二先生より『サルコペニア・フレイル対策』のお話がありました。
「サルコペニア」「フレイル」とも最近テレビでも出てくる言葉です。ではどのようなことなのでしょうか?先生のお話をまとめてみました。
「サルコペニア」とは、簡単に言うと『筋力の低下』です。
加齢による「1次性サルコペニア」と、それ以外に原因がある「2次性サルコペニア」があり、「2次性」のものが増加してきているとのことです。
診断の簡単な方法として、握力が男性では新しいペットボトルの蓋を開けることができる、女性では一度開けて閉めたペットボトルの蓋を開けることができるか。歩行速度が横断歩道が青に変わってから赤に変わる前に渡りきることができるかが例としてあげられました。
有病率は地域在住高齢者の約10%、施設入所者の20-30%とされており、透析患者では約40%と言われているようです。
「フレイル」とは、加齢による『虚弱』を言います。
フレイルになると、・コケる ・入院しやすい ・薬の使用が増える ・社会的なかかわりが減る など要介護の状態を作ることが問題となります。
予防対策を行うことで、フレイルの状態から健康な状態に戻ることができるとされてます。何をすればよいかというと、運動と食事です。
運動と言われても・・・となると思いますが、1日30分の散歩をするなどで十分です。
食事は難しいと思いますが、透析患者さんはタンパク質が足りていません。
タンパク質をとるとリンが増えると思い摂ってない患者さんもいると思いますが、高齢の患者さんでは意識して肉や魚を食べるようにして下さい。
以上が簡単ですが、今回の内容です。
おすすめのホームページになります。
今回は、4階の紹介をしたいと思います。
4階には透析患者さんの更衣室(男性・女性)と待合室があります。
透析開始までの時間や透析後の送迎車待ちの時間はこちらでお過ごしください。
ご家族や付き添いで来られた方も待合室をお使い頂けます。また、少し狭いですが、食事をとるスペースも設けています。
4階の半分以上のスペースを割いているのが、検査室です。
現在、臨床検査技師は3名常勤しています。
透析クリニックとは思えない大きな機械が何台かあり、ホームページ『各部署紹介』にも書いていますが、透析医療で必要な検査はほとんど院内で行っています。
ホームページ『スタッフからのお知らせ』欄に毎月の検査スケジュールを掲載しています。
また、透析患者さんに知ってもらいたい検査についての情報をポスターにして検査室前に掲示しています(不定期更新)。
【今回は二次性副甲状腺機能亢進症について張り出しています】
エコー(超音波)検査は、心臓、腹部、頸部(甲状腺・副甲状腺)、頸動脈を定期的に実施しています。
心臓、腹部エコーにつきましては、超音波検査士の資格を有した検査技師が実施しております。
透析患者さんは腎癌罹患率が高いと言われています。当院では独自に腎癌早期発見のマニュアルを作成し年1~3回の腹部エコーの実施と、CT検査、MRI検査受診をお願いしています。
【当院での腎癌の一例】
また、月1回のペースで外部からの専門の超音波指導医による検査を実施しており、検査技師も技術指導を受けています。
シャントトラブルに関するVAエコーにつきましては、25年以上前からVAエコーに取り組んでいる清水臨床検査技師長が実施しています。様々なシャントトラブルに即座に対応し、患者さんの今後を考えたバスキュラーアクセス維持を目指しています。
【VAエコー結果の一例】
検査で透析医療に貢献できるよう頑張っています!