監督とコーチは
ホイッスルが鳴った後、無防備になったQBに背後から襲いかかる
そんなプレーの指示はしていない。
改善されるべきは、あの反則プレーにいたった指導法と、不足していたコミュニケーションだ。

少し下火になっている悪質タックル問題をダラダラとやっていて、監督とコーチの指示はなかったとクドクド書いているのは、前回の最後に触れたことにも何か解決策がほしいからでもある。
暴力的指導のことだ。
日大に限ったことでもなく、アメフトに限ったものでもない。
指示がなかった、から始めなくては、指導法の問題が掘り下げられない。
指示があったとしたほうが、改善策はわかりやすく作りやすい。
それでいいのか?というのが、ずっと引っかかっている。
だから、関東学連は易きに流れているとも思っているし、他校も程度の差はあるだろうけど堂々と突っ込めないんちゃうか?とも思っている。

それと、そんな指示はしていないと言っている監督とコーチの、アメフトを冒涜するようなことはしていないという名誉の部分を認めたいから書いている。
あんな指示をしたから除名された
ではなく、結果は同じ除名だとしても、
あんな指導をしたから除名された
になればいいと思っている。
指導法の問題となっても除名相当なのかは、わたしには判断できないけれど。
もう少し軽くなり、いつかアメフトに戻ってこれる方法になればいいとも思っている。
ミスもしたし、指導段階で言葉が足りていなかった部分もある。
ダメだったところが一番わかっているのは、この人達だと思う。

では、同じ場面の繰り返しになるけれど、みていきましょう。


(2) 「QB を潰せ」はB監督からの指示だったのか?

A選手は、Dコーチから「QB を潰せ」という指示を聞いたとき、監督がそう言
っていると聞いたと供述している。また、試合当日、B監督に直々に「QB 潰すん
で出してください。」と言いに行き、その結果、試合に出られたと供述している。

他方、B監督は、規律委員会のヒアリングでも記者会見でも一貫して「私からの指
示は一切ない。」と強弁し、Dコーチも記者会見で、監督から QB に怪我させてこ
いという指示は出ていなかったと供述している。

思うに、この点についてのB監督及びDコーチの供述は、B監督を守ろうとして
事実をねじ曲げていることが明らかであり、まったく信用性に乏しい。
思うに〜〜なのにキツイ断定口調は、A選手を全面的に信じての口調で、関東学連が捜査機関ではないものの、調査報告書としては公平でない。
コーチは、選手が監督に直訴に行ってほしかった。
直前の悪いプレーからネタとしてQBサックを思いついて「監督が言っている」とつけ足して作りだした指示だった。
これが、選手もコーチも監督も嘘をついていないとした見方だ。
この春のシ
ーズンにA選手が「ハマッて」いたことは本人の供述を裏付ける複数の関係者ヒア
リングから判明している。そして、直接、B監督から外すとプレッシャーをかけら
れていた同選手が急遽試合に出場できることになったというのに、試合前に監督
と同選手が何も会話をしていないというのは不自然極まりない。これに対して、試
合直前の「いま監督に行って来い。」→「QB 潰すんで出してください。」→「やら
なきゃ意味ないよ。」→「わかった。おまえ試合出ろよ。」→「リードしないで突っ
込みますよ。」→「それで行け。思いっきり行ってこい。」→ スタートメンバーに
なれた、という一連の会話と出来事についてのA選手の供述は、極めて具体的かつ
迫真生があり、なぜメンバー表に載っていなかったA選手が試合に出られるよう
になったかの合理的な説明にもなっている。どちらを信用するべきか、火を見るよ
り明らかであろう。そして、「QB 潰すんで出してください。」「やらなきゃ意味な
いよ。」は立派な指示である(「やらなきゃ意味ないよ。」発言については後記(4)を

参照されたい。)。
一連の会話は、春は出してくれと積極的にくる選手は出してやりたい監督と、それをわかっているコーチが悪の企みでなくアメフトの会話をしていると思って読んでも具体的で不自然でない。
「いま監督に(出してくれと言いに)いってこい」→「QB潰す(サック狙う)んで出してください」→何言ってるかわからんけど来たし、返事をしておこう(会見を見てこんなタイプの人だと思った主観)→「わかった、(監督のとこ行ってきたし)おまえ試合出ろよ」→「リードしないで突っ込みますよ(選手は例え反対に展開しようとも、までの意味で言ってる)」→「それ(コーチは縮こまらないで、の意味)で行け。思い切り行ってこい」
思いは違っていても会話が成立しているというだけのことだ。
どちらも嘘をついていない。
また、試合中に観客席にまで聞こえてきたという、「Aは監督の言うとおりにや
ったんや!」というチームメイトの激は、「QB を潰せ」がB監督からの指示であ
ったこと、そのことはチーム全員が知っていたこと、の証左であるといえる。
“反則をして”と“結果が反則だったとしても”は違う。
そし
て、だからこそ、A選手の最初の反則行為のあとも日大側サイドラインは不自然な
ほど冷静で淡々としていたのであり、第 1 プレーでいきなりパーソナルファウル
(15 ヤード罰退)を犯したというのに、監督もコーチもA選手を下げようとしな
かったのである。
監督は見ていなかったと言っている。
あれは、見ていなかったとしても不自然でないほどの遅いタックルだった。
ほとんどの人がボールを追っていて、そんなところで!?今ごろ!?なタックルだった。
見ていたのに下げなかったコーチは、自分の判断ミスだと認めている。
これは本当に判断ミスで、処分理由にもなるミスだった。