川合大祐さんの句集『リバー・ワールド』の選句作業に参加させてもらって、川合さんの句を選句しながらずっと思っていたのは、現代川柳はベケットの世界のことばやものの底に降りてゆく感じに近い、A=BのAでもBでもなくこの=のあたりを徘徊している感触に近い、というようなことを思っていた。

それはことばを問い直すとかでもなくて、こわれたこころとこわれたことばであるけるところまであるいてみる、健康とかでもなく、メッセージとかでもなく、こわれかけの世界で夕陽を見たりあらためて苺を口にいれてみたりする、そういう感覚。「モスバーガーをつなぎ合わせる」