松本てふこ『汗の果実』は章立てが「皮」「種」「汁」「蔕」と分かれているんだけれど、外(皮)からどまん中(種)へ移動しながら、液状化(汁)し、「蔕(へた)」という果実のふたのような外側に移動していくのが面白いなあと思った。ちょっとこう、せっかくまんなかまで行ったのに、そらすような

最初てふこさんは『平凡』や『石』というタイトルにしようと思ったそうなんだけれど、それだと直感的にバナナシェーク的なづづづとした質感が句集から外れてしまうと思ったのではないだろうか。ずずずという液状的な視線のありよう、生き方がちょっと特別な感じがして、読んでると