河野那歩也の漫画『監禁嬢』。監禁女が時折みせる非人間的な表情が特徴的なのだが、面白いのは追いつめられていく主人公がこの女の顔をどういう感情でとらえているのかがわからない点だ。つまり主人公の主観が測位できない。そこにこのブラックホールの巨大なシュメール人系アート的眼のこわさがある

シュメール人のアートの眼の破壊力はこれだけ眼が大きいにもかかわらず、内面がまったく読みとれないという所にあるとおもう。それを活かしたのがさきほどの漫画『監禁嬢』だ。充実しているにもかかわらずスッカスカという不気味さがここにはある。満面笑顔で殴ってくるひとの心のような