東村アキコのマンガの人物たちは、よく《白眼》になる。
東村アキコのマンガを読んでいて思うのだが、彼女の描く人物たちは、みな漫画的記憶のもとに漫画的身体を生きている。
つまり、漫画的にはこのような表情/身体にならなければならないという《漫画文法》を裏切らないのであり、その漫画的身体のうえで、マンガ・リアリズムのもとに、物語がつむがれていくということなのではないかとおもう。
東村アキコを男のひとが読んでもとっつきやすいのはそういう理由があるのではないだろうか。
東村アキコは、古くて・新しいのがいちばんのつよみであり、おもしろさなのではないかと、わたしは、おもう。