たえず揺れ動くカメラに、
たえまなくうごめき続ける
ピーター・フォークに
ジーナ・ローランズ。
発作的な妻の感情の起伏と
動揺する夫の感情のぶれが、
変調のキャメラワークによって
ゆたかな緊張感を
うんでいる。
たゆまずにあふれ、
過剰なまでにしみいる愛情と狂気が
暴力的に発展し、家族のかたちをいびつなものにし、
夫婦間のつながりを容赦もなく
ひきさいていく。
それでもそのことをもう一段階
止揚した愛情によって
かれらは、のりこえていくだろう。
カサヴェテスと役者陣の洗練された力技。
おそらくアメリカの「家庭」というものに対して、
はじめて自己言及的に〈撮る〉ということから
こだわって、完膚なきまでにえぐりだしていった映画。
『クレイマー・クレイマー』にはない、
アメリカの崩壊する家族の過剰恋愛動態映画。
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