海の家で食べたくなるものは? ブログネタ:死にたくなったら桜桃を食べてから、俺に言え 参加中



彼女いない歴=年齢・26歳の彼女できるまで日記

人の死を、あとおしするなんて

ほんとうにつらいことなんだよ。

こんなにも陽は輝いて、

世界はやさしさに満ちているのだから

わたしのために生きてくれないか。


男は、死のうとしている。

理由は、わからない。

彼は、自分の死を完遂してくれるためのひとを

さがしている。

でも、なかなかみつからない。

男はやがて偶然のせた老人から

桜桃の味のエピソードを聞くこととなる。


カメラは、物語の最初から最後まで

ほぼ車内に固定されている。

ヨーロッパ映画の心理のたゆたいは

鉄道という装置によってなされていたが、

イランのキアロスタミは、

蛇行するあぜ道を走る車内に心理過程の変遷の隠喩を

おいた。

それはとても画期的なことだった思う。

彼の映画は、いつだって

「蛇行」という主題がでてくる。

それはこれまで西欧が整備された一本道の上で

心理描写を重ねてきたことに

対して、非常に挑発的であり、また新鮮味を

もたらすものとなった。

自殺という主題を扱いながらも

省略的な語りで物語を終始一貫させ、

説明をあえて落としながら

くねくねと蛇行走行の語りをみせるのも

とてもキアロスタミらしい 。

死にたくなるたびに観ているので

おそらくは60回以上は

みているんじゃないかな。