東京日記 他六篇 (岩波文庫)/内田 百けん
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★★★★★


漱石、百閒、村上春樹、川上弘美。

連綿と続くわからない文学の系譜。

不可知の文学の系譜といってもいい。

理知的な漱石をうけついだ弟子は芥川龍之介だったが、

夢十夜の漱石の正統な継承者は内田百閒だ。

ファンタジーってそれがいかなことであれ

信じて疑わないことが基本的前提となる。

白雪姫やピーターパンを思い出してほしい。

白雪姫がこびとをみてためらいはじめたら

そこから幻想文学がはじまる。

さう、幻想文学っていうのは

ファンタジーの逆で

それがいかなことであれ信じず、ためらい、

わかろうとしないことなんだよね。

その点において、

百閒は幻想文学の王道。

「白猫」は幻想文学史に残る最高傑作。

これを読んでない人は、幻想の損。