- ¥8,593
- Amazon.co.jp
- 阿修羅のごとく パートII-全集- [DVD]
- ¥9,240
- Amazon.co.jp
- 阿修羅のごとく [DVD]
- ¥977
- Amazon.co.jp
- 阿修羅のごとく (新潮文庫)/向田 邦子
- ¥700
- Amazon.co.jp
★★★★★
向田邦子のNHK版『阿修羅のごとく』。
主題は、貌の闘争のひとことに尽きます。
顔の葛藤、面の相克、
家族というミクロな社会ではあるものの
その人間の貌を形成する決定的な関係網をつくる
その軋轢のなかで、それぞれの人間が、
抑圧された貌をごそっとひきずりだす、
もしくはひきずりだされるその躍動するような
ツラの剥奪ぶり争闘ぶりを、
圧倒的に映しつくしています。
こういった貌のせめぎあいが
ベルイマンを召還するのも
うなずける話です。
三面六臂の阿修羅のごとくだが、
女の顔は三つどころでは
足りないのです。
向田邦子自身が託したテーマは、
<セックス>だったといいます。
だとしたら、家庭内のセックスは、
女の貌にこそある、ということを
物語がはじきだしてしまったのだ
といっていいのではないでしょうか。
こうした貌の死闘が、
森田芳光版の『阿修羅のごとく』では
消えてしまったのが残念でした。