昨日、ガニレストの製造元であるオルガノンの担当者から、前回および前々回の記事が非常に役立ったとのフィードバックをいただきました。
ガニレストは、自己注射の中でも特に痛みを感じやすいと多くの患者様が感じており、その点については特に参考にされるとのことでした。実際に患者さんからも、「まっすぐに打つことを意識したら、刺しやすかった」といった感想もあり、よかったなと思います。
さて、話を少し変えて、外来でよく質問される内容について触れたいと思います。
患者様に「妊活のために何かサプリメントなど飲んだりしていますか?」と質問すると、多くの方から「葉酸」という回答が返ってきます。
逆に、「妊活のために何か飲んだ方がいいですか?」と聞かれることもあります。
サプリメントでは総合ビタミン剤やビタミンDなどをご案内することもありますが、僕はもっとも重要な栄養素は葉酸ではなく、「タンパク質」だと考えています。
確かに葉酸も大切な栄養素のひとつではありますが、糖質、脂質と並び、三大栄養素のひとつ「タンパク質」は、健康のためにも、妊活のためにも重要な働きを担っています。
広告などによって「タンパク質=プロテイン=筋トレ」というイメージが強くなりがちですが、実際にはタンパク質は筋肉の合成だけでなく、ホルモンや酵素の合成にも欠かせない重要な働きをします。
葉酸を含めビタミン類が適切に働くためには、タンパク質由来のアミノ酸が必要となります。したがって、どれだけビタミンを多量に摂取しても、タンパク質が不足しているとそれらのビタミンが適切に作用することができません。
実際に、厚労省のデータでもタンパク質摂取不足が指摘されており、特に健康をサポートするために不可欠な栄養素として、注目すべき点です。
次回からは、この「タンパク質」の重要性についてさらに深く掘り下げて考察していきたいと思います。