あなたはリベラルですか、保守ですか

アメリカの宗教右派(中公新書ラクレ) 飯山雅史著より

 

いよいよアメリカの大統領選挙が近くなってきました。保守の共和党(トランプ大統領)とリベラルの民主党(バイデン氏)の戦いですが、ここでリベラルと保守の政策の違いを簡単にあげてみました

 

経済政策

リベラル 政府は、福祉政策を拡大して貧富の格差を少なくするべきだ

保守 福祉政策は、勤労の意欲を失わせてしまうので、政府は福祉政策を削減すべきだ

リベラル 政府は企業による労働者の搾取をやめさせ、独占企業の市場支配をなくすために、企業活動を規制すべきだ

保守 自由競争市場が最も公平で効率的であり、企業にも消費者にも利益になるので、政府は市場に介入すべきではない

リベラル 政府が福祉などの公共サービスを充実させるためには、充分な政府予算が必要だ

保守 重税は企業活動の妨げになるから、税金は少ないほどいい

犯罪対策

リベラル 犯罪は、貧困や失業問題などを背景に起きてくるから、政府は社会問題の改善に重点を置くべきだ

保守 政府は、犯罪を減らすためには警察を強化するべきだ。裁判所は犯罪を甘やかすべきでない

社会問題

リベラル 人種的少数者の地位を向上させるために、政府は雇用や入学で積極的な優遇策を行うべきだ

保守 人種的少数派への積極的優遇策は、逆差別につながるから、政府は採用すべきでない

リベラル 女性には出産するかどうかを選択する権利があり、人工妊娠中絶は合法的であるべきだ

保守 無制限に人工妊娠中絶が許容されれば、性道徳の荒廃にもつながるので、政府は制限すべきだ

リベラル 同性愛者の権利を拡大し、雇用などでの差別をなくすべきだ

保守 同性愛者の権利拡大には反対すべきだ

 

注)トマス・ダイ「アメリカの政治」の第2章などを参考に、筆者作成。

政治的立場にはさまざまなバリエーションがあるし、すべての項目で同じ意見であるはずがないが、一般的なイメージを明示するために、あえて単純化した