皆さんこんにちは
関東甲信で梅雨明けが発表され、夏の一大イベント 鈴鹿8耐 が目前に控える中...
今回は
2023年に新しくモデルチェンジした、、、
HONDA CBR250RR 2023
こちらのチューニング開発&独立燃調(SP忠男パワーBOXパイプ)をご紹介させていただきます
HONDA CBR250RR 2023 ご紹介
こちらの車両もチューニング開発のため、弊社が新たに購入したデモ車両です
2023年モデルから新たにトラクションコントロールが追加されております
エンジン出力も最大1PS向上、足回りも強化され、より戦闘力を高めたモデルとなっております
慣らし運転で試乗したところ、先代よりもトルク感が増し、足回りもしっかりした印象が強かったです
そして、何より驚いたのが電子制御
2023年モデルから、CBR1000RR-RのECUと同スペックとなり、より戦闘力が高くなりました
左側:CBR250RR 2023 右側:CBR1000RR-R(SP) 2022-2023
弊社は全日本選手権やスペイン・スーパーバイク選手権などレースサービスを通じてCBR1000RR-Rのチューニングを得意としているため、ECUの共通化はうれしいニュースでした
果たして今回のCBR250RR 2023年モデルはどのように進化するでしょうか
【独立燃調】各種マフラーへの適合
定番のカスタムと言えば マフラー交換 ですよね
2気筒250ccであれば手軽さもあり尚更そういう傾向があります
そのため、チューニングの定番として真っ先に 燃調 が挙げられますが、まずは弊社独自の技術で仕上げていきます
MotoJPと言えば 独立燃調 でしょ
いつの日か 独立燃調 を弊社のスタンダードにしたい。
そんな思いから、最近は弊社が所有する開発車両でのデータ取りについて独立燃調を実施することが多いです
シリンダー別燃調(通称:独立燃調)
◆各エキパイにワイドバンドO2センサーを接続し、シリンダー別で空燃比チェック~燃調を行う究極のセッティング技術です
なぜ 独立燃調 が良いのか。
良いから良いんです。
そして、その良さは乗った人しか分からない。そして一度味わったら 独立燃調無しではバイクに乗れない(言い過ぎ)
それくらい強烈にバイクを 乗りやすく、軽々とふけ上がるエンジンに仕上げることが出来ます
※もちろん、目的に適したマフラーや吸気部品を選定していることが重要であり、セッティングは最後の仕上げにすぎず、性能やバランスを崩してしまうマフラー・吸気部品に対して、独立燃調は効果を発揮しません
馬力が〇馬力上がった。という評価も参考にすべきですし、もちろん大事ですが、我々は馬力だけでは無く、多気筒エンジンは全てのシリンダーが綺麗に燃焼することが最も大事であると考えております。
ただし、独立燃調はエキパイを外して全てのパイプにセンサーボス穴を溶接するなど準備が大変なので、残念ながら今のところすべてのバイク・マフラーには適用することは難しいです...。何か画期的な方法があれば良いんですけどね
限られた貴重な独立燃調データを是非一度ご体感ください。
SP忠男パワーBOXパイプ+MORIWAKIスリップオン
まずは定番?の SP忠男パワーBOXパイプ+MORIWAKIスリップオンマフラー の組み合わせで 独立燃調 を実施致します
まずはシリンダー別で 全域の空燃比 をチェックしてみましょう
シリンダー別でエンジン回転数(RPM)・スロットル開度(%)ごとに空燃比(A/F)を確認したところ、下記のような空燃比分布となりました。
◆横軸 - 電子スロットル開度 [%]
◆縦軸 - エンジン回転数 [RPM]
◆赤色に近いほど 空燃比が薄い、緑色に近いほど 空燃比が濃い を表します
※パフォーマンスを優先した空燃比と比較した場合の評価
全体的に赤色(空燃比が薄い)領域が目立ちました
そしてシリンダー間でズレが大きく、2番シリンダーがとにかく薄い...
しかし、全開にすると急に濃くなる...
これは最近のバイクの特徴ですね
今回は空燃比を最適化した際の馬力・トルク変化を領域別で確認していこうと思います
スロットル開度50%
元の空燃比が薄かっただけに スロットル開度50%領域 は 全域でトルク・馬力が大きく向上しております
トルクの落ち込みやガタツキ(下側チューニング前 [紫・オレンジ])も大幅に改善され、綺麗なトルク・馬力カーブ(上側チューニング後 [青・黄])を描いております
動画で純正ECUvsチューニング後の空燃比、マフラー音、馬力の変化をお楽しみいただけます
スロットル開度 75%
これだけスロットルが開いているのに空燃比が薄すぎる
スロットル開度75% は スロットル開度50%以上に トルク・馬力が大きく向上しております
こちらもトルクの落ち込みやガタツキ(下側チューニング前 [青・黄])も大幅に改善され、綺麗なトルク・馬力カーブ(上側チューニング後 [紫・オレンジ])を描いております
動画で純正ECUvsチューニング後の空燃比、マフラー音、馬力の変化をお楽しみいただけます
スロットル開度 100%
空燃比分布でも見れましたが、全開は既に濃かったため、スロットル開度100% での馬力は殆ど向上が見られませんでした。
しかし、僅かながら高回転でトルク・馬力が向上しているのが分かります。
動画で純正ECUvsチューニング後の空燃比、マフラー音、馬力の変化をお楽しみいただけます
元々空燃比が大外れしていないと変化量も少ないため、スロットル開度100%領域がそこまで変化しないのは想定の範囲内です。
残念ながら元がそんなに悪くないと独立燃調しても大きな変化量はでないんです... 元が悪くない。それを知ることも燃調ですからね
<シャーシダイナモ上でのトルク・馬力について>
よくトルク・馬力が凄い変わった風に見えるチャートを目にしますが、水温や気温、コンディションが変わると大幅にトルク・馬力が変化するため、たまたま良かったのと悪かったのを比較すると良く見せることが出来ます。しかし、大事なのは本当の変化を知ることですので、我々は測定誤差が出ないよう工夫しながら測定・情報開示に努めております。
全日本選手権などトップチームの有識者数人に話を聞いても、スロットル100%(全開)領域はエンジンやマフラー性能が馬力・トルク特性を決定し、元の空燃比が余程ズレていない限り、殆ど変化しないというのが共通認識です。
※ECU側にエンジン出力を大きくダウンさせる"パワー制限"があれば話は別ですが、こちらの車両(CBR250RR 2023年モデル)は最初からフルパワー仕様ですので制限はありません
ですので、良く散見されるピーク馬力が大きく変わった風に見える馬力チャートはたまたま良い時・悪い時を比較しただけなことが多いのでご注意ください。
チューニング前
スロットル開度100% トルク-青・馬力-黄
スロットル開度75% トルク-紫・馬力-橙
スロットル開度50% トルク-灰・馬力-赤
チューニング後
スロットル開度100% トルク-青・馬力-黄
スロットル開度75% トルク-紫・馬力-橙
スロットル開度50% トルク-灰・馬力-赤
みなさまお気づきでしょうか
チューニング後のグラフを見ると、低い回転では、スロットル75%・100%(紫・青)よりもスロットル50%(灰)の方がトルクが出ています。つまり、低い回転域ではスロットル50%の方が充填効率が良いことを意味します。
※チューニング前のグラフだと全体的に薄すぎて本来のエンジン出力が発揮されておらず、エンジン性能の評価に適しませんでした
従って、低い回転からのガバ開けはオーバーベンチュリーとなりトルクダウンにつながりますので、このエンジン&マフラーの組み合わせの場合、 6,000rpm以下はスロットル50%程度に留め、6,000rpmあたりから全開にするのが最も効果的な加速が期待できます
この評価は 燃調後 じゃないと気づけないので、真のエンジン性能を評価するにはしっかり燃調することが一番大事です
2シリンダー独立燃調後に試乗したら、ビックリするくらい綺麗に、そして強烈に加速する感覚が病みつきになりました
こんなに変化するのか...と驚きを隠せなかったです
6,000rpm以下の全開よりも50%の方がトルクがある現象も感じることが出来て、色々と答え合わせをすることが出来ました
次回は AKRAPOVICフルエキゾーストマフラー(レーシング) で同様のセッティングを行いますので乞うご期待ください
また、CBR250RR 2023年モデルのサービス開始も今夏を予定しておりますのでこうご期待ください
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ECU Tuning, Performance Parts
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