皆さんこんにちは
現在開発中のHONDA CBR1000RR-R SC82 チューニングについて、今回は 開発モニター参加中のお客様の車両や 燃料マップ製作 などについてご紹介させていただきます
◆前回ブログ
<開発モニター> 車両のご紹介
前回のブログでは 開発モニター を募集させていただきました。
その結果、合計6名のお客様にご応募いただき、実走行にて評価いただいております
開発にご協力いただき本当にありがとうございます
No.1 - CBR1000RR-R(SP) - I 様
No.2 - CBR1000RR-R(SP) - O 様
No.3 - CBR1000RR-R(SP) - M 様
No.4 - CBR1000RR-R(SP) - ASNO 23 様
No.5 - CBR1000RR-R(SP) - sc82 seven 様
No.6 - CBR1000RR-R(SP) - 丸く丸消す。様
特にご相談が多かった、スプロケット丁数 変更に関しては、3名のお客様にそれぞれ 前16丁 後45丁、前16丁 後47丁、前15丁 後43丁 をお試しいただいてますが、いずれもサーキット走行ではエラーが一切出ていないとのことです
どうやら、スプロケット丁数 変更は上手くいっていそうですね
これで、ファイナル交換後のエラー&クイックシフター無効の問題も解決かと思われます
開発モニター ご参加中の ASNO 23 様 より、弊社施工により前16丁 後47丁に最適化 ~ 袖ヶ浦サーキット走行の様子について、 YouTubeでご紹介いただきました
また、sc82 seven 様 よりモビリティリゾートもてぎ走行の様子について、YouTubeでご紹介いただきました
ぜひご覧ください
既に追加アップデートも完成し、こちらも評価いただく予定となっておりますので、続報をお待ちください
各種マフラー・データの製作
主にサーキット走行されているお客様から相談が多いのが、マフラー交換後の 燃 調です。インジェクション車両ですから、FIセッティングを行わない限り、最適化は不可能ですので、相談件数が多いのも無理はありません
そこで、上記マフラーを購入し、弊社の開発車両&シャーシダイナモを用いて 燃料マップ製作 を行いました
◆ AKRAPOVIC スリップオンライン [S-H10SO24-APC]
◆AKRAPOVIC エボリューションライン [S-H10E3-APLT]
◆AKRAPOVIC リンクパイプ コレクターパイプ [L-H10R12/TD]
もちろん、純正エキパイ+サイレンサーでもデータを作成いたしました
◆AKRAPOVIC 純正サイレンサー + 純正エキパイ
AKRAPOVIC エボリューションライン
AKRAPOVIC エボリューション ライン には#1-#4、#2-#3の集合部にO2センサーボス穴がありますので、こちらを利用して空燃比を測定しました。
ポン付けの印象としてスロットル全開軸では
低回転が薄い...
高回転が濃い... でした。
とにかく エンジン回転数が低い領域は空燃比が薄く走れるレベルではありませんでした
その結果がモロに反映され、低回転・高回転にトルクの落ち込みが見受けられました。
◆表示の出力は弊社シャーシダイナモ使用の参考値です。他社シャーシダイナモと数値が前後することがございます。
■■セッティング後:202.3 [HP]
■■セッティング前:195.4 [HP]
空燃比を最適化した結果、弊社シャーシダイナモ上では 約7馬力UP と順当に出力アップを果たしました
低中速がモリモリにアップして綺麗なトルクカーブになりますので、これは燃調しないと勿体ないですね
AKRAPOVIC リンクパイプ コレクターパイプ
◆表示の出力は弊社シャーシダイナモ使用の参考値です。他社シャーシダイナモと数値が前後することがございます。
■■AKRAPOVIC エボリューションライン:202.3 [HP]
■■AKRAPOVIC リンクパイプ コレクターパイプ:198.2 [HP]
燃料セッティングによって AKRAPOVIC エボリューションライン とほぼ同じように出力が向上しましたが、残念ながら上が伸びません
この大きな消音パイプがパフォーマンスに影響を与えているのは間違いなさそうですが、サーキットによっては音量に厳しいところもありますので、こればっかりは致し方なしですね
AKRAPOVIC スリップオンライン
純正エキパイは 各シリンダー毎にO2センサーボス穴を設置し、シリンダー毎の空燃比を確認します。
溶接はいつもお世話になっている 気軽に頼める溶接屋さん 隆盛工業 様にお願いしました
いつも本当にありがとうございます
シリンダー毎に空燃比を測定し 独立燃調 を行いました
なぜ 独立燃調なのか。その経緯は企業秘密ですのでお伝え出来ませんが...そう、4気筒で相当のズレがあるんです...
◆表示の出力は弊社シャーシダイナモ使用の参考値です。他社シャーシダイナモと数値が前後することがございます。
■■セッティング後:203.1 [HP]
■■セッティング前:202.5 [HP]
残念ながらピーク馬力は殆ど変わりませんでした
しかし、高回転は〇〇の影響により、各シリンダーで空燃比がズレており、セッティング前はエンジン振動が大きく、伸びが悪い感じでした
今回の独立燃調によってふけ上がりが軽い印象で、レブリミット手前のトルクの落ち込みが緩やかになっております
また、低~中回転もモリッとトルクが太っております
シャーシダイナモ上の運転でもパワー感が圧倒的に増した感じでした
ちなみにAKRAPOVIC エボリューションラインのデータと比較すると...
◆表示の出力は弊社シャーシダイナモ使用の参考値です。他社シャーシダイナモと数値が前後することがございます。
■■AKRAPOVIC エボリューションライン:202.3 [HP]
■■AKRAPOVIC スリップオンライン:203.9 [HP]
※水温、気温などの条件が一番近いデータで比較します
え、、、何かの間違い??? と思いましたが、
意外にも?? 純正エキパイ の方が エボリューションラインより馬力が上でした
ただ、純正エキパイだと低~中間域がトルクが負けてしまってます... というか、セッティング後も 低 ~ 中回転の立ち上がりが不安定ですね... 大型触媒の影響でしょうか
空燃比ですが エボリューションライン ほどは 薄くないですが 中開度あたりは薄くてトルク感がないため、やはりセッティングしたほうが良いですね
ちなみに、純正サイレンサー(排気バルブ全開)でも、同じ結果となりましたので、グラフ等は割愛させてただきます
ラム圧の考慮について
いくらシャーシダイナモ上でばっちりセッティングしても、実際の高速走行では動圧(ラム圧)がかかります。特にこちらの車両は街乗りから 富士スピードウェイ(FISCO)で 300km/hオーバー の高速走行なんかもできてしまいます
こうした高速走行が想定される場合、ラム圧を考慮する必要があります。
では、スタンダード仕様のCBR1000RR-Rでは、時速300km/hで走行時にどれほどのラム圧が加わるのでしょうか。実際のデータで見てみましょう。
こちらはスペイン・スーパーバイク選手権の浦本 修充 選手がスペインのへレスGP や アラゴンGPなどで走行した2Dロガーデータです。
TH全開軸における 車速毎のMAP(吸気空気圧力)センサーの 値 を算出しました。
レギュレーションが日本のST1000に近いため、エンジンやファンネルは市販車と同じですので、参考にさせていただきました
実測値をグラフにして見る限り、
速度が上昇するにつれて、MAP(吸気空気圧力)が2次曲線的に上昇しております。
例えば300km/hでは大気圧 [100.5kPa]よりも高い圧力 [103.8kPa]が検出されておりますが、この差分 [3.3kPa]が 動圧(ラム圧) と考えられます。
従って 300km/h走行時はラム圧によって1.033%程の出力増が見込める計算となりそうです。
◆218馬力 [ @0km/h ] なら 計算上は 225馬力 [@300km/h ] となります
もちろん、その分燃料が必要となりますので、ラム圧を考慮した補正を加えてあげる必要があります
MotoJPオリジナルマップでは、こうした補正も加えました
なので、シャーシダイナモで空燃比を測定した場合、逆に少し濃くなりますので、ラム圧がかかっても大丈夫なように濃くしたんだなぁ~ 程度にお考えください
リリース時期(予定)
2022年11月中にサービス提供開始を予定しております。
今後の一般リリース並びに開発状況につきましては、MotoJP公式Instagram、Twitter、当アメブロなどで随時更新させていただきます。ぜひ、弊社アカウントをフォローください