成人してから始めたピアノ

成人してから始めたピアノ

大学生になってからクラシックピアノを弾き始めました。大人になって始めたからこそ味わう充実感や苦悩について、皆さんと共有していきたいです。

先生がチェンバロに関する講座を企画してくださり、チェンバロについて学び、演奏してきました。



チェンバロは見るのも触るのも初めてです。


楽器はフレンチチェンバロだそう。響板に絵柄が施されているのもチェンバロならではですね。



二段鍵盤で、フロント(上段)とバック(下段)を適宜使い分けて演奏するそうです。音域はどちらも同じで、音色にやや違いがあります。バックの方が太い響きが出るのに対して、フロントは軽めの音色のため、クーラントのような舞曲は全部上鍵盤で演奏することもあるそうです。
 
また、中央のレバーを弾くと、これもまた音色が変わります。モダンピアノにおけるソフトペダルを踏んだ状態になるようで、響きが抑えられ、ペンペンした音になります。クラヴィコードやデュルケン(フォルテピアノ)に近いなと思いました。
 
さらに、下鍵盤をグッと奥に押し込むと、二段同時に撥弦されるようになり、重厚な響きになります。じゃんじゃん鳴らしたいときに有効な手法であるとのことです。
 
さて、私はJ.S.バッハの平均律第一巻から第6番を演奏しました。
 


弾いてみた感想ですが、まず鍵盤の幅がモダンピアノよりやや細いと思います。鍵盤の重さも全く違うため、指が滑ったり想定と違うところに手が置かれたりして、あちこち引っ掛けまくってしまいました。
あと思っていたよりもしっかり奥まで打鍵しないと音が抜けてしまいます。先生によると、楽器によっては浅い打鍵にも繊細に反応する個体もあるらしいのですが、今日の楽器はかなり弾きごたえのあるタイプだそうで、鍵盤をさわってからしっかり打鍵する必要がありました。ただ、なんでもかんでもこの方法で打鍵すれば良いわけではないので、これもまた難しい…。
また、このチェンバロはモダンピアノと鍵盤の色味が逆転しています。つまり、モダンピアノの白鍵が黒くなっており、黒鍵が白くなっているのです。ほかの参加者からは、これによって視覚的に動揺したという声もありました。
 
正直、動画の演奏はとても聴いてられないのですが、せっかくの記念なので残しておくことにします。
雰囲気だけでもお伝えできれば嬉しいです。
 
先生からのワンポイントアドバイスのほか、楽器についてのレクチャーもあり、大変有意義な講座でした。
チェンバロは強弱がつけられないという先入観(!)を持っていましたが、たしかに部分的にそれは正しいものの、チェンバロの場合はアーティキュレーションを細かく入れることで音楽のニュアンスを多様に表現していることがわかりました。
強弱をピアノほどダイナミックに変えられないからこそ、旋律のまとめ方や打鍵・離鍵のタイミングを工夫するのです。演奏の録音ではなかなか細部まで聴き取れないことが多いので、今日直接味わうことができて良かったです。また、思っていた以上に音が伸びることも驚きでした。
 
通奏低音の体験も少しだけしたのですが、これは本当に難しい…。考えることが多すぎて、当時のチェンバロ奏者はどうやってこなしていたのかと思わされます。いつの時代もプロはすごいのですね。
先生はこの通奏低音がバロック音楽の中でも気に入っているところだそうです。難しいからこそ、やりがいがあるのかもしれないですね。
 
これまで全く古楽器に縁がなかったのですが、少し興味が出てきました。バロック音楽についてももっと学んでいきたいです。