J-POPもK-POPも「A-POP」になる | 備忘録以上、評論未満。

 

 

たしか7月上旬だったかな。

 

音楽関係者である知人から

 

「NiziUが分岐点になるよ」

 

というLINEを受け取ったのは。

 

さっそくYouTubeを見たところ

 

K-POPっぽい女子グループだったので

 

「これ韓国のアイドルグループ?」

 

って訊いたら

 

「韓国人の有名プロデューサーで

 グループメンバーは日本人なんだよ」

 

という回答。

 

へえ、そんな時代になったかと

 

思わず見入ってしまった。

 

ちなみにこのPVは現在

 

1億4000万再生を超えている。

 

 

 

 

 

Huluとか日テレ系の番組で

 

大規模なオーディションから

 

NiziU結成までの

 

ドキュメントをやってたのは

 

なんとなく知っていたが

 

ちゃんと見たのは初めてだった。

 

ソニー・ミュージックエンタテインメントと

 

JYPエンターテインメントが組んだ

(※韓国の三大芸能事務所)

 

プロジェクトってことらしい。

 

関係ないがソニーミュージックといえば

 

2年前(2018年)に乃木坂の本社ビルを

 

ジャニーズ事務所に売却したニュースが

 

記憶に新しい。

 

友人の娘二人(中高生)は大ファンらしく

 

TikTokに友人らとのダンス動画を

 

アップしていた。

 

7人くらいで踊っていたが

 

なかなかうまい。

 

ただしその「誕生の地」韓国では

 

NiziUをめぐって賛否両論らしく。

 

 

 

 

 

で、この部分。

(※記事で引用されている部分)

 

 

〈NiziUの正式デビューが迫り、オンラインコミュニティでは国籍論争が繰り広げられている。NiziUは果たしてK-POPか、J-POPか、という論争だ。(中略)反応の中には、NiziUをJ-POPと規定し、反感を示す意見もあった。韓国の企画会社が全員日本人でガールズグループを作ったことが問題だという指摘だ。音楽サイトが、NiziUをJ-POPに分類した点を挙げて、不買運動の主張も出ている〉

〈昨年、JYPがNizi Projectを行った際も“親日”議論が起こった。日本との協業によるK-POPの技術流出に対する懸念や「日本にだけいい思いをさせている」という批判が相次いだ。これは昨年から続いている反日感情の延長線上にあると受け止められる〉

(出典:日刊紙「MONEY TODAY」)

 

 

 

この反応はあるだろうな。

 

ある意味、容易に想像できる。

 

僕が気になったのは

 

このコメント。

 

・・・・・

「今の段階では、NiziUの存在は韓日間の対立を解決する要素ではなく、むしろ対立を誘発する“ホット・ポテト”(困難な問題)となっています。韓国では、K-POPの優秀なシステムを“日本に売り渡した”と考える人も少なくない。NiziUが正式デビューして、もし韓国語バージョンのシングルをリリースすることになると、韓国人の中には『日本人なのにK-POPだと偽装した』と反感を持つ人も出てくるかも知れません」

(音楽評論家 ファン・ソノプ)

・・・・・

 

 

このコメントの

 

「K-POPの優秀なシステム」って部分。

 

ここかな

 

妙に気になったのは。

 

 

 

もともとK-POPなんて存在しなかった。

 

源流はJ-POPなんだよね。

 

エンタメの仕組みとしての源流は。

 

韓国は音楽カルチャーをなんとかしたくて

 

吉本興業やエイベックスなど

 

日本のエンタメ企業が数々出資した。

 

そこは歴史をひもとくとわかる。

 

日本の芸能界も手を差し伸べた。

 

アイドルやグループを売り出す仕組みなど

 

エンタメ戦略の詳細を惜しみなく教えた。

 

そんなJ-POPだってそもそも

 

源流は欧米諸国のエンタメにある。

 

戦後のロックもポップスもテクノサウンドも

 

米国や英国のエンタメから「盗ん」だ。

 

否、システムとして学んだのだ。

 

 

つまり日本も韓国も中国も

 

あるいは今売り出し中のASEANも

 

POPと呼ばれる音楽カルチャーは

 

海外からの輸入がシステムの源流であり

 

アジアのどんな国だろうと

 

うちのオリジナルだと主張できない。

 

サウンドの下地は欧米から盗みながら

 

時間をかけて足し算と引き算をして

 

「その国固有の形に変化させた」

 

っていうのが真相だ。

 

クラブシーンで表現すれば

 

いわゆる「DJミックス」かな。

 

 

 

近い将来

 

J-POPもK-POPも

 

C-POPもT-POPもV-POPも

(※C=中国、T=タイ、V=ベトナム)

 

全部「A-POP」という大きな流れに

 

統合されていくと思うよ。

 

いわゆる「アジアン・ポップ」。

 

その流れの中で

 

日本らしいとか韓国らしいとか

 

中国らしいとかベトナムらしいとか

 

なんとなく「らしさ」を滲ませながら

 

全体としてのアジアン・ポップが

 

広く認知されるんじゃないかな。

 

やがて「A-POP」は

 

アジアや欧米だけでなく

 

アフリカやオセアニアや南米まで

 

巨大な塊として進出し

 

カルチャーシーンに定着する。

 

だからね

 

どこが先とかオリジナルとか盗んだとか

 

ちんけな論争してる場合じゃないって。

 

 

 

最後に。

 

NiziUの発掘からデビューまでって

 

あの「モーニング娘。」の

 

プロモーションに似ている。

 

そう感じたのは俺だけ?